編集部のタイ人経理部長「ブン」がタイに住む日本人の悩みを快刀乱麻で解決する!
読者からのご相談
(前略)そして上司のことをタイ人に聞いたら「あの人にはバラミーがある」「彼にはバラミーがない」と「バラミー」という単語を駆使して人物評をするわけです。バラミーとは何かと聞くと、徳がある人とかお釈迦様に近い人とか、つまりカリスマ性のある人のことなのかと想像するのですが、ネットで検索するとタイレストランの店名としてもよく使われています。タイレストラン「カリスマ」っていうのもちょっと変です。なぜわざわざバラミーという言葉を用いて人物評をするのか、ブンさんに教えていただきたいのです。
(はらみー)
ブンからの回答
語源は上座部仏教のパーリ語です。ブッダのように完成された人を目指すための日常の指針とでもいいましょうか。生きている間に人間として実行し続けるべき徳目が10あり、そのうちの1つだけでも完遂していれば「バラミーがある」と言われます。
徳目を並べますと、
①しがらみから解き放たれていること
②粘り強いこと
③親切で相互理解の精神があること
④目標に向けて祈りながら前進すること
⑤熟考すること
⑥規範を守ること
⑦忍耐(くだらないことに惑わされない)
⑧公平な判断
⑨真実を求める
⑩施しをすること。
またこの徳目には3つの段階があり、例えば⑩の「施す」でいうと、最初のレベルは自分の所有しているものを差し出す。中級は、たとえば腎臓の1つを提供するなど自分の体の一部までを差し出す。上級は自分の命を差し出すというものです。
バラミーは日々の積み重ねです。ダコの同僚社員にバラミーを感じることもあります。いつも他人に優しく、喜ばせようとしている人にバラミーがあると感じます。そう思われた人はそう言われると「そうなの? 俺、バラミーあるの?」と思うようです。バラミーは滲み出るものなのです。でも自分から言っちゃダメですよ。あくまで他人が評することです。
ダコ編集部の経理、ブンに相談したい方はmail@daco.co.th まで匿名で