今号の読者からの相談
日本食レストランを経営しています。1年以上働いている調理場のスタッフを首にしたく相談します。私の目の前ではいい子ぶっていますが、トロやタラコといった高級な輸入食材をオーブンで焼いて仲間と一緒に食べているらしいのです。まかないとしてです。
まさかと思いましたが、たしかに冷蔵庫のものが少なくなっているではありませんか。なるほどオーブンだとアルミホイルに包んだらわからないし、数人で小分けにすれば、普通のまかないと見分けがつきません。
相手は包丁を持っていることもあり、穏便に去ってくれることを願っています。これがタイの会社の場合だと、どのように対処するのか教えてください。
(ヤマツ)
ブンからの回答
動かぬ証拠を
ますは証拠や第三者による証言が必要です。ビデオカメラを設置しておく。事前に警察に話しておいて、和食弁当かなにか心付けを渡しておき、イザというとき にすぐ来てもらえるように段取りをする。証拠がないとホシにバカにされるだけでなく、関係のない従業員の信用を失うこともあります。
警察か自分から辞めさせる
現場を押さえたら
①証拠はある。警察に通報する。と出るか
②自分から退職すると手紙を書けと命じます。そうすれば退職金を払う必要はありません。
シッポを出さない
どうしても証拠がない。しかしやっていることは確実。調理場のスタッフにお金を払ってでもいいから去ってほしいのであれば、解雇するしかありません。
解雇にともなう補償金の額
労働者保護法で定められている補償金額は勤務年数によって決まります。
120日~1年未満:30日分/
1年~3年未満:90日分/
3年~6年未満:180日分/
6年~10年未満:240日分/
10年以上は一律300日分です。
この何日分というのは最新の給与額の日割りが適用されます。今の月給が3万Bなら30日で割って一日1000Bということで10年以上の勤務者であれば30万Bになります。
反対に補償金額を払わなくてよい場合というのは120日未満の勤務者か明らかに会社に不利益や損害をもたらした従業員です。
ですから質問者のケースは、証拠があるなら払わなくてもよい。証拠がなくても辞めさせたい、または穏便に済ませたいなら法定金額を払う、ということになります。
———————————————————-
ダコ編集部の経理、ブンに相談したい方はmail@daco.co.thまで匿名で
———————————————————-
要!小銭。 デジダコ 電子書籍でバックナンバーチェック
バンコクの地名や通り名の由来を調べた306号の特集はたいへん評判がよかったです。近いうちに続きをやろうと決めました。