煮物上手はお料理上手とよく言われます。お花見などでお弁当を持ち寄ったり、お呼ばれした時に煮物が出ると、地味な見た目に反して注目度が高く、作った人の株がいきなりあがっていました。
板前の世界でも煮方は、揚げ方や焼き方を一通り修行した最後の段階で、板長や二番の次に偉いそうです。なんだか煮物って料理の腕の物差しのようで、私は、下手と言われるのが怖くてあまり作ることがありませんでした。
ところが野菜ソムリエになって、健康のためにできるだけ簡単でヘルシーな野菜料理をと工夫していたら、煮物を作ることが多くなりました。外食だと甘過ぎたり塩辛過ぎたりするので、自分の好みに作ってしまえばいいのだということにも気がつきました。コストや時間を節約でき、失敗の少ない調味料はとてもありがたいものです。素材からも味が出ますので、同じ調味料を使っても幅広い味を楽しめます。
<材料> 2人分 (写真は1人前)
タイきゅうり 1本
ひき肉 50g
玉ねぎ 20g
片栗粉 適量
塩・胡椒 少々
トウモロコシ 2切れ
オクラ 4本
ニンジン 約5㎝
蓮の茎 2本
ミニトマト 4個
さやいんげん 4個
ヤマモリの白だし 約大さじ4
水 800cc
<作り方>
(1) タイキュウリは、中をくりぬいて内側に片栗粉をまぶしておきます。
(2) ひき肉、玉ねぎのみじんぎりを混ぜて塩胡椒をし、よく練ってからキュウリに詰めます。
(3) 水1カップに白だし大さじ1を入れて、キュウリを煮て、火が通ってからもしばらく味がしみるように弱火で煮ます。
(4) 別の鍋で水1カップ、白だし大さじ1を入れてトウモロコシを煮ます。
(5) トウモロコシを取り出し、さやいんげんをさっと煮て取り出し、その後オクラを3分ほど煮ます。
(6) 4~5cmに切った蓮の茎を煮て、火が通ったらオクラとコーンも入れてそのまま浸しておきます。
(7) 別の鍋に水1/2カップ、白だし大さじ1/2を入れて皮を湯剥きしたトマトを茹でます。トマトの酸味に合わせて、必要であれば砂糖を加えます。トマトはそのまま味をしみこませるように浸しておきます。
(8) それぞれを皿に盛りつけ、キュウリを煮た汁を濾して出します。
\ ポイント /
料亭で出るような炊きよせは、一つ一つの材料をその特性に合わせてに煮込んで最後に盛り合わせる手間のかかる料理ですが、白だしを使えば簡単。
個々の材料に向き合えるので加熱具合の調整もあらかじめ別々に煮込んで失敗することも少なくなります。あらかじめ用意して出す直前に温めればいいのですから、実はおもてなしや作り置き料理にとても便利なのです。お好みで汁にとろみをつけてかけてもいいでしょう。
また、年中暑いタイですから、冷やして涼しげな器に持って出しても喜ばれるのではないでしょうか。
煮物におすすめなタイらしい食材は、タイキュウリ。太くていぼのないタイキュウリは、炒飯のつけあわせでよく出てきますが、実は加熱料理にとても合う野菜です。ダシも出ますので、肉と一緒に煮た汁を最後に料理と一緒にいただくといいでしょう。
また、もう一つ面白い食材は、蓮の茎。蕗にも似た姿ですが、蕗と違ってアク抜きとうの下処理も必要ありません。煮たり炒めたり、手軽に料理できる食材で、和の味にとてもよく合います。
白だしがあれば、どんな野菜でもたちまち素敵な煮物に大変身! タイの野菜で煮物に合うのはまだまだありますから、いろいろ挑戦してみてください。
ヤマモリのつゆの素は便利でよく利用していましたが、白だしの登場で、素材の色を活かすことができ、レパートリーが広がりました。炊き合わせのような手間のかかりそうな料理も意外に簡単に作れます。煮加減は好みですから、素材に向き合いながら好みを探れば、お料理上手への道はそう遠くはない気がします。