王室お抱え料理人が開いた店 クルア・アプソーン
ゲーン・キアオ・ワーン・プラー・グラーイ
(淡水魚のつみれ入りグリーンカレー)
ガラヤニ王女の助言(本文)を受けて、淡い緑色で統一されている。さらっとした軽い口当たりと後を引かない爽やかな辛さで食が進む
ミアン・カナー(カイラン菜の薬味包み)
ショウガやエシャロット、ライム、ピーナッツ、豚の脂身揚げなどの薬味をカイラン菜の葉で包んで、特製のタレと共にいただく。さまざまな食感と味をもつ薬味と、フルーティーなタレが口の中で混じり合って複雑なうまみを作り出す。
かつて王室で料理番をしていたデーンさんが1997年に開いたタイ料理店。ダコ本誌でも数回紹介しているほか、有名なガイドブックにも載っているので、ご存じの方も多いのでは?
デーンさんが王室で料理を作るようになったのは1970年頃のこと。灌漑局に就職したデーンさんが務めるダムでプミポン現国王の母であるシーナカリン王太后と姉のナラーティワートラーチャナカリン王女(ガラヤニ王女)が食事をとることになった際、調理を手伝ったのが始まりだった。
王太后と王女はデーンさんの料理の味をたいそう気に入り、厨房に入って直接お褒めの声をかけたのだとか。それ以来、デーンさんを宮殿に招いて海外の賓客のために料理を作らせたり、外出の際にも同行させるようになった。特にガラヤニ王女は料理を味見しただけでデーンさんが作ったものかどうか当てられるほどのお気に入りだったそう。
後にガラヤニ王女が入院して調理をする機会が減ったため、デーンさんは「クルア・アプソーン」をオープン。自分の店を開いたことは王女にはお伝えしていなかったものの、王女自らお客を連れて3回来店したという。
「王女様はまるで一般の人のように気さくに話せる方でした。料理についてもいくつかアドバイスいただいたの。『グリーンカレーは緑色であるべきよね』とおっしゃられたので、うちのグリーンカレーは緑色の食材しか使ってないのよ」とデーンさんは楽しげに語ってくれた。
清潔感のある街の食堂といった佇まいだが、店内に掛けられている写真はすべて王室関連のもの。ガラヤニ王女とオーナー・デーンさんの写真や、王女が外国の賓客と共に会食している写真もある
デーン=ジャンチャウィー・サクンカンさん(オーナー)
クルア・アプソーン
ครัวอัปษร
503-505 Samsen Rd.
10時半~19時半 日休
0-2668-8788、0-2241-8528
www.kruaapsorn.com
ゲーン・キアオ・ワーン・プラー・グラーイ110B、ミアン・カナー120B、トート・マン・プラー・グラーイ(淡水魚のすり身揚げ)150B、ピーク・ガイ・トート(手羽揚げ)90B