世界各国の王族に振る舞われた一皿飯
カセームスック・ポーチャナー
カオマンガイ(茹で鶏のせご飯)
食材にこだわり、鶏肉はガイ・トーン(雛の時に去勢した雄鶏)、米は最上級のカオ・ホーム・マリ種を使用している。肉は柔らかくてジューシーなのに脂っこさがなくてさっぱりとした味。炊き込みご飯も粒が立っていてつやつやとしている。自家製のタレは辛みが強く、一瞬甘辛い味がした後、さわやかな辛さが口の中に生まれる
(5種類の肉のせご飯)
焼き豚、カリカリ揚げ豚、ハム、ローストダック、中華ソーセージの5種類をご飯に乗せて自家製のタレをかける。具材ごとに違った食感と味が楽しめる。特にローストダックは黒々とした皮がパリっとしていて香ばしい上に、身が引き締まっていて噛み応えあり
古いタウンハウスが並ぶ旧市街地にこのお店がオープンしたのはちょうど40年前のこと。当初はフー・ムー・イェン(豚の耳の煮こごり)1品だけを売っていたが、その後、ご飯物を扱うようになって人気が出たそう。チットラダー宮殿や国会議事堂をはじめ官公庁が近くにあるため、お店の評判はじきに王室関係者の知る所となり、30年以上にわたって王室の晩餐会に料理を献上してきた。
王族の中でも特にプミポン現国王と
シリキット王妃のお気に入りで、頻繁に注文が入るのだとか。国王がシリラート病院に入院された際は、千皿単位での注文が入り、タイ各地からお見舞いに来た国民に振る舞われた。
3代目オーナーのソーイさんが今までで一番栄誉に感じたのは、2006年の国王即位60周年式典の際、世界各国から来た王族や要人をもてなす晩餐会のメニューに選ばれたこと。これによってプミポン現国王とシリキット王妃から「常食」の表彰状が送られた。
お店の片隅には両陛下のご成婚42周年記念(1992年4月28日)の晩餐会で使われたメニューが飾られている。この時は立食パーティー形式で、さまざまな街の名店を宮殿に呼んで1店につき1品ずつを出店させた。メニューの裏には出店した店の情報も書かれているので、食べ歩きが趣味の方はぜひ見せてもらうといいだろう。
両陛下以外にもここの料理がお気に入りという王族は多く、ソムサワリー王女は特にここのカオマンガイがお好みだとか。
一見小ぎれいな普通の食堂だが、よく見ると宮殿のパーティーで使われたメニューなどがさり気なく飾られている
ソーイ=チャーリー・ンガームカセームスックさん(3代目オーナー)
カセームスック・ポーチャナー
เกษมสุขโภชนา
304 Amnuay Songkhram Rd.
8時〜16時 無休
0-2243-0589
カオマンガイ45〜60B、フー・ムー・イェン(豚耳の煮こごり)100B、カオ・チェー・ポー60B、クイティアオ・ペット・パロー(アヒル煮込み肉のせ米麺)45B