ワンデートリップ

バンコクから ファミリー海外旅行へ インド・ネパール 子連れ旅

家族とバンコクに住んでいるみなさん。行けるんです、子どもとインド。日本からは直行便がなかったり飛行時間が長かったりする国々も、ここからなら身近だったりする。今回は、大らかで冒険好きな妻が言いだしっぺのインド・ネパール紀行をお届けします。
ずっこけハプニングも家族をつなぐ思い出になっていく。日本は大変な時だけど、子どもたちが自分とまったく違う環境の広い世界を見ることは、きっと糧になる。次はあなたが、バンコクから、そんな海外家族旅行へ!

旅して書く係:サルカ 夫と7歳娘と5歳息子の4人家族

「世界一高い山と白い宮殿へ行こう」と母は叫んだ

最初はブータンに行きたかった。「ブータンって何があるの?」と夫の一言。「えっ……? 秘境……」とっさに答えられない私。プレゼン失敗。予算もオーバーだし。

地図を眺める。お、ブータンの隣はネパールか、その下はインドねぇ……。娘がたずねる。
「ママ、この白いお城なぁに?」
「これはタージ・マハルっていうインドにある宮殿だよ。見たい?」
「うん、見たい見たい!」
「あのさぁ、世界一高い山見てみたくない?」
「見てみたーい!」
行き先決定、初インド・初ネパール!

12月のインド・ネパールは乾季で天気は安定しているものの、寒いらしい。デリーは冬の東京並み、カトマンズはさらに低くて最低気温1℃。問題は冬服だ。急ぎ購入しなければ! プラチナム・モールへ走る。今思えば、防寒着に気を取られすぎていたのがあの失敗の始まりだった……。

パンツ現地調達の母、タージ・マハルで考えた

客引きやタクシーがすごい、と聞いていたデリー空港だけれど、2010年7月にオープンしたてのターミナル3は、ピッカピカの新品状態。もっと混沌としたインドを想像していたけれど、なんだか肩すかしをくらったような気分。
「明日はすごく早起きしてタージ・マハル見に行くから、早く寝よう」
「わかったー。ママ、パジャマとパンツは?」
「今出すよ。ちょっと待ってて」。
ん? ……子どものパンツが、ない。「ママ、パンツ忘れちゃったのぉ!?」あぁ~やっちまった! 手袋を持ってきて、パンツがないとは……大失態。「明日買えばいいさ。一日くらい平気だよ」天の助け、夫の一言。ありがとう、みんな。明日のミッションはタージ・マハルとパンツゲットだ!

デリーからタージ・マハルのあるアグラへは車で4時間。早朝のデリーはひどいスモッグで、スピードが出せないからだ。寒い朝、ドライブインの甘いマサラ・ティーがおいしい! 家族全員このマサラ・ティーのファンになる。スパイスで体の中から暖まる。

タージ・マハルはムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが亡き愛妻のために作ったとはいえ、結婚生活19年間で子供が14人、そして妻は病に倒れたそうで、そんなに子供を産まなければもっと長生きしたんじゃないだろうか?美しい宮殿は、かなり偏執的な愛と割り込み常習犯のインド人観光客で満ちていた。

人も動物も、バナナも雪山も、みんな一緒

アグラでパンツも無事購入し、安心してネパールへ飛ぶ。カトマンズはデリーにもまして埃っぽい。車向けではない昔ながらの狭い道にスズキやタタの小さい車がひしめく。チベット仏教の寺、ヒンドゥー教の寺、どこに行っても牛や猿や鳩がぎっしり。そしてパシュパティナート―ヒンドゥーの聖なる川辺で、まさに目の前で、遺体が荼毘に付される火葬の煙が空に昇っていく。いろんな命が人の暮らしのすぐそばにある街だ、ここは。子どもたちのお気に入りはチベット寺院のマニ車。巨大なものからお土産サイズのものまで、あれば必ずクルクルと回す。おもちゃじゃないよと言いつつも、こうやって親しんでいくのが自然なのかもしれない。徳を積んでおくれ。翌日、カトマンズからマウンテン・フライト。お天気に恵まれ、小さな二列シートの飛行機の窓からエベレストが見えた!

ヒマラヤの峰々が目の前にくっきりと連なって、手が届きそうだ。でも思ったより真っ白ではない。雪が少なくなっているそうで、温暖化の影響がここにも。マウンテン・フライトの後はポカラへ。アンナプルナの山並みを眺めながら、ペワ湖を遊覧し、箱根を思い出す。我ながら、寂しいくらいに小さいスケール感? 不思議なのは、バナナの木の後ろに雪山が見えること。バナナ=暑いところのもの、雪山=寒いところのもの、という私の常識はここでは通用しない。

低緯度で標高が高いとこういう生態系が……などと説明するより、ありとあらゆる命がこの小さな国にぎっしりつまって、その命に寄り添うようにたくさんの神と仏が住んでいるのだと感じる方が、しっくりくる。

そこで家族とは、を考えた母

インド・ネパールに子連れで? と何度も聞かれた。実際はそれがよかったと思う。出かけるときは家族でというのが、インドの常識的なスタイルらしい。デリーでもインド人女性だけで出かけている姿はまず見ない。女性が元気なタイから出かけたので、その違いに驚いたけれど、インド人家族を見て安心し、自分たちも家族でいることを再認識し安心した。

ネパールの空港での待ち時間はパパと子どもが親指ゲームをしていた。楽しそうだね~。どんな環境でも、お父さん、お母さん、子どもが一緒にいる。それが幸せでしょ? と語りかけられたような旅だった。子どもたちの記憶には何が残るだろう―私が作った非常食のおにぎりと、パパとやった親指ゲームと、くるくる回る無数のマニ車かな?

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