今回はタイのフェアトレードや環境問題への取り組みを支援するボランティア団体
「プラー・チャ・ピアン」主催のツアーに飛入り参加した日本人女性のレポートです。
早朝からタイ人の若者たちと運河を下り、水上市場や蓮池へ行く船旅に出発したのですが、さていかに!?
次はあなたが老若男女混合の旅を楽しめますように。
【旅して書く係】 かぴ 若者と遊ぶと翌日の疲労がハンパない
最初にタイ語が要ります
私が参加したのは、ボランティア団体「プラー・チャ・ピアン」が洪水後の地域復興の一環として企画した長尾舟のツアーです。
開催は月2回。だいたい日曜日なのですが、タイ語表記のHPやフェイスブックから申し込まないといけないので、参加にはちょっとハードルが高いです。
タイ人の友人知人に申し込んでもらうのがベスト。
私の場合は、ワンデートリップの友のタイ人が手配してくれました。
集合場所はピンクラオ橋のたもと、観光客を乗せたロングテールボートが次々と出発する小さな船着場でした。
参加者は20名ほどで外国人は私ひとり。一行は船頭さんの解説を聞きながらチャオプラヤー川西岸の運河を目指します。
今なお続く昭和の生活
すぐに水門が現れます。
季節によって水位の変わるチャオプラヤー川と住宅地域との水位調節のための水門で、船に乗ったまま水位が下がるのを待ちます。
水門を抜けると川沿いの風景は昭和の香り。
運河の中に建っているかのような木造の家。
電柱も街路灯も水の中。
軒先に揺れる洗濯物や縁側で魚をさばくお母さん。
テーマパークのアトラクションではなく、これが日常生活の光景。時折対向車ならぬ対向船が。
運河の中にも交差点があり、船頭さんたちが声を掛け合いながら行き交います。
瀟洒なお屋敷があったかと思えば朽ち果てそうな廃屋も。
去年の洪水で大きな被害を受けたこのエリア。
どの家も現在の水位よりも1mくらい高い位置に今も泥水の跡が残り被害の大きさを物語っています。
お爺さんと作り、若造と食べる
ボートに揺られ少々水しぶきを浴びながら1時間と少しでラットマヨムのビンテージ・ビレッジに到着。
地元で採れるタイハーブなどを使った伝統料理の調理体験ができるところです。
説明はタイ語、周りの若者が簡単なタイ語に言い直してくれるので半分くらいは話が分かったかな? みんな親切。
人生料理人というお爺さんたちにトムヤムとグリーンカレー、ゲーンソムを習います。
と言っても材料はカット済みで、唐辛子ペーストを混ぜたり、鍋に調味料を入れたりとお手伝い程度で簡単。
料理を盛り付けたり配ったり、タイ人の若い男子は意外とよく気が付いて感心感心。
作った料理以外にも雷魚の塩焼きなどを振舞ってもらい、皆が「これは初めてだろう」と勧めるタレで食べてみました。
普通に食べる私を見ながら、みんなあんぐり。
何とそれはタガメのエキス入りのタレ! 嗚呼、先に言って!おいしくいただいた後は全員で片づけ。
あの、屋台で見かけるタライでの食器洗いも初体験でした。
蓮と西日に映る寺院に感嘆のひととき
食後は8人乗りの小舟に乗り蓮の池を目指します。
より細くなった運河を進むと、濁った水が徐々に綺麗になってくることに気が付きます。
奥に広がる一面の蓮。
大きな葉の下では水鳥が魚を追い、美しい蓮の花に大感激。
蓮には水質の浄化作用があると聞いたことがありましたが、本当に蓮の池の水は泳ぐ小魚が見えるほど綺麗。ゆっくりと進む小舟と時間。
ひと回りして戻ってきた小舟は同じ敷地内にあるクローン・ラット・マヨム水上市場へ。
土日だけ開かれる市場で、食べ物・雑貨・洋服に子供向けイベントと盛りだくさん。
通路は進めないほどの人であふれ、全員船で来たのかと思っていたら、車でも来られるらしく、裏手には広い駐車場がありました。
暑くて蒸れ蒸れの場内を進み、1時間150Bというローカル価格のタイマッサージで再生。
帰りもまた運河を進みます。
すれ違うガイヤーン屋の船の香りに再び空腹を覚え、運河に足を投げ出してアイスを食べる子供たちにほっこり。
ああ、風が気持ちいい。
行きとは違う水路を通り、再び時間をかけて調節水門を抜けると目の前に広がるチャオプラヤー川。
西日を背に浮かび上がるワット・アルンのシルエットが美しくて、思わず感嘆の声をあげました。
洪水後の復興も水と共に歩む運河の町の人々の暮らし。
またひとつ、バンコクの別の顔を見た清々しい旅でした。
クローン・ラットマヨム水上市場
住所 Moo 15, Bang Ramard Rd., Taling Chan, Bangkok
営業 9時~15時
電話 08-9215-2659