先日、千葉のタイ料理店で開催された、タイ政府公認公益財団法人「ハグ&スマイル」の支援イベントで、タイ料理デモンストレーションをさせてもらった。お店のオーナーさんが元駐在員主婦ということもあり、参加者のほとんどが、元駐在員。
そこで、ぜひみんなが懐かしくなる料理を! と思い、拙著『バンコク思い出ごはん』のトップバッターに載せるぐらい思い入れがある「かぼちゃの卵とじ」を作ることに。初版発売当時、「アヤさんがよく作ってくれた!」「学食の大好きなメニューだった」と、嬉しい声をいただいたのだが、今回のイベントで作ってみたところ、なんと参加者でタイで食べたことのある人はゼロ。「エンポリのフードコートで見たことがある」という人が数名程度。うーん。
「いつも食べ慣れたものばかりで、新しいものになかなか挑戦できない」との声が多数。本帰国が近くなって、やっと木タラで、いくつか食べたことないお菓子を買ったぐらいとか。宣伝がてらに、『暮らして恋したバンコクごはん』と2冊を手に取ってパラパラしてもらったけど、「こんな料理があるなんて、知らなかった」とか、「いつもバンビーノ幼稚園の前に屋台が出てたけど、1回も食べたことなかった」という人も。
バンコクに住んでいても、日本料理店や各国料理店がいっぱいあるし、タイ料理を食べなくても生活できるけど、「もっと食べておけばよかった」と、本帰国してから思う人、私の周りではけっこう多いんだよね。
まぁ、でも参加者同士、全員が顔見知りというわけではないものの、バンコク在住経験という共通項があるだけで初対面でも話が盛り上がる。コンドに売りに来て、内線でわざわざ電話がかかってくる、「オクサン、ヤサイ、アマイヨ~(でも、時々、甘くないのも混じっている)」の八百屋さんの話だったり、毎日、早朝のお弁当作りが大変な話だったり。
「いつか、東京(日本)で、バンコク同窓会ができたらいいなぁ」と、前から言っていたけど、こんな形で実現できるとは、ちょっと感激。今、バンコク駐在経験者の友人が多いけど、日本に帰ってきてから知り合いになった人も多いし、こうやって新たな出会いが生まれるようなイベントが、これからもできるといいなぁ。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!