いつも一緒にイベントをやっているマイクロ出版社のYさんから、「東京アートブックフェア(TABF)」の飲食ブースで、クラフトビールを販売するので、それに合うおつまみを販売しないかというお誘いが。
TABFは、今年で8回目のイベントで、国内外のアーティストやアート出版社が約300組集まるアジア最大のアートブックの祭典だ(タイの漫画家タムくんや、タイを中心に活動していたモモコモーションことモモコちゃんのタイ料理ZINEも!)。
去年、飲食ブースを出した人によると、とにかくてんやわんやで売り切れ続出。こういうイベントは、ブース番をしている出展者の利用も多いので、内輪だけでもかなりの販売数になる。
フェアは4日間。私が店番できる日は限られるので、管理に問題ないおつまみとなると、うーん。トムヤムナッツ!? 試作してみると、これ売れるかも! ヨードも、「これはうまい!」と。タイ人のお墨付きなら安心だ。お天気が心配だったので、袋詰めにし、脱酸素剤を入れてシーラーで密封。
私の本も併設の『発酵書店』で売ってくれるというので、最近発売のパクチーレシピ本と、去年増刷して絶賛販売中のタイ料理本も持参して、初日に納品。店番担当Yさんに試食してもらうと、「これ、あっという間に売れるかもよ」と好評だったので、ちょっと反応を見て、売れそうだったら増産しようかなと、記念すべき1本目が売れるのを見届けて家に帰ろうと思っていたら……売れない(汗)。
10分が過ぎ、20分が過ぎても売れない。一緒に売っているビーガンマフィンやべジバーガーは売れるのに、トムヤムナッツは売れない(泣)。「オーガニックとか、ビーガンナッツにすれば良かったのかなぁ」と、Yさん。でも、ナムプラーはイワシだし、チリインオイルはエビだし、タイの調味料を使っている時点で難しいよね。
で、トイレ休憩に行った間に1本売れたらしいので帰宅。結局4日間で、当初の1日分の売り上げ予想ぐらいの販売数で終了した。毎日買いに来てくれた人もいたらしいけど、辛いのダメとか、パクチー苦手という人が、想像以上に多かったのも事実。
アート層とタイ料理層は、そこまでかぶっていないのか。満足いくモノを作るのは簡単だけど、売れるモノを作るのは難しいね。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!