もともとムエタイ修行がきっかけで、バンコクに6年滞在。日本に帰国して、タイ料理のレシピを調べて作って食べて、レシピ本を出したり、タイ料理イベントをするうちに、なんとなくタイ料理研究家として、お仕事をさせてもらえるようになってきた。
で、最近、タイの食材を使った和食やタイ料理のレシピの試作会を、仕事関係の人たちとすることになった。
そして試作会当日。人によって味の濃い薄いのジャッジが全然違ったり、全員一致でおいしいという料理があったり。トムカーガイの酸味を抑え気味に作ったスープは酸っぱすぎ。辛さを控えたラープのアレンジ料理も辛すぎと、タイ料理を食べ慣れていない人は、全然味の感覚が違うんだーと、いろいろ勉強になったけど、全体的な感想は、「薄味で、塩気が足りない」とのこと。
普段、減塩を意識しているわけじゃないけど、うちは、高血圧のじいじと、子供がいる家庭だからなのかな? と思いつつ、ハタと気が付いた。そうだ、タイ料理って、あんまり塩を使わないからだ! と。
タイ料理は、タイ語のレシピ本や動画を参考にしているのだが、あまり塩を使わない。すでにペーストなどに塩が含まれていたり、ハーブを多用するからだろうけど、塩のかわりとなるのがナムプラー。和食や洋食だったら、最後に塩・こしょうを使うところを、タイ料理だと、ナムプラーで味を調える。そのかわり、デザートを作るときは、きっちり塩を効かすのだ。
このスタイルが自然と身に付き、和食を作るときにも塩をあまり使わなくなったのかも!?
前に、駐在員主婦の友人が、タイに来てから炒めものとかの料理に砂糖を使うようになったと言っていたけど、知らず知らずのうちに影響されていることが多いのかなぁ。
あと、タイ料理と関係ないけどちょっと発見したのは、料理の難易度。ある朝食のレシピに、「沸騰直前まで温める」という工程があって、一人暮らしの人にとっては難しくないのだろうが、子供のいる家庭では、朝っぱらから、鍋に張り付いているというのは難易度マックス! 「宿題のサイン」「〇〇の申し込み書いて」「〇〇の集金」と、「なぜ今言う!!」のオンパレード。絶対、鍋から吹きこぼしちゃうよね。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!