珍スポットに事欠かないタイにおいて、ひと際輝きを放つ地獄寺。
今回は、タイ国内にいくつかある地獄寺の中でも、スパンブリー県で人気を集める名物寺へのご案内です。
現世で犯した罪により罰を受ける地獄絵図の世界へ。次はあなたが地獄で楽しめますように。
【旅して書く係】かぴ:煩悩のままに生き地獄行きも覚悟の上
壮大なスケールで、とにかく巨大!
ネットで知った情報を元に煩悩まみれの女3人、半日貸切ったタクシーで向かったのはバンコクの北西、スパンブリー県の南端にあるワット・パイローンウア。
寺の名前を言うと、話しかけたタイ人はみんな知っていました。
そのかわり運転手との値段交渉は難航、それだけ遠いということなのか?
ちょっとボラれ気味の料金で話はまとまり、タクシーは一路スパンブリー県へ。
高速降りてからも延々と田園風景が続きました。
そして、タクシーの運転手が指さす方向に、チラチラ見えるのは大仏の後頭部。あれか!
なんという広いお寺でしょう! 門をくぐってからもしばらくタクシーに乗り、本堂の前で運転手と待ち合わせ時間を約束して別れました。
本堂もでかい。広々とした内部は一面壁画に覆われています。
絵柄はちょっと新しく、仏教の説話や地獄の光景のほかに今風の服装のなんだか意味の分からない絵も。
外に出ると、大きな仏像が果てしなく鎮座するエリアがあります。
よく見ると仏像はすべて墓石。故人の写真や名前が記されています。大きいモノから小さいものまで、生前の財力がものを言うようです。
巨大な立像の向こうに件の大仏が見えます、幹線道路から見えていたのは、あれですね。
敷地も広いのですが、置いてあるもののサイズも大きいのが、このお寺の特徴のようです。
全体のスケール感も遠近感もおかしくなります。
怪しげな人影を掻きわけて
大仏がある場所から通路をはさんだ向かい側に大きな池があり、そばに掲げられた標識には「ランド・オブ・ヘ
ル」の文字。池の向こう岸には怪しげなたくさんの人影が見えます。
ここから先が地獄になるのですね。
橋を渡り地獄に着くと黄色い袈裟のお坊様がマイクでしきりに「そこの日本人~」と呼びます。
どうやらお布施を強要される模様。各々100Bほど寄進しましたが、お布施の金額もマイクで読み上げられる始末です。本当にお坊様なのかなあ。
地獄でここまで笑っていいのか!?
現世で何をやらかしたらこんな目に遭うのか?
口は災いの元、鬼に舌を引っこ抜かれている人多数。
タイの地獄名物トゲトゲの樹を登る人々は木の上でも怪鳥につつかれて気の毒です。
トゲトゲの樹(という名前かどうかは分かりませんが)、タイの地獄寺の定番アイテム
参拝者が入れ替わり拝んでいる釜茹でコーナーでは電動でぐるぐる回る鉢に「ご長寿」「ご多幸」など縁起のいい言葉が書いてあり、お金を投げて上手く入れば願いが叶うという代物。
釜茹での釜の中はぐるぐる回る電動鉢。お金を投げ込んで幸せをつかむ
ブツブツとおできの出ている巨大なピー(お化け)もタイの地獄寺では定番ですね。
巨大なピー(お化け)。これもタイの地獄の定番ピーだ
腹がよじれるほど笑い、こんな地獄なら見てみたいわと人生を見直すどころか前向きに地獄行き希望する女たち。クオリティは、B級ど真ん中で、近所の物好きなお父さんが趣味で作っちゃった手作り博物館のようなノリです。
地獄ランドの奥にも雰囲気の違うお堂があり、こちらには大きな仙人像がいっぱいありました。
ルーシーダットンのポーズをとっているようですが、顔もポーズも抱腹絶倒です。
ルーシーのルーシーダットン
平日に行ったため参拝客が少ない境内ですが、寺の裏側には大きな市場が広がり、名産品なのか干物屋がずらりと軒を連ね、売場の裏では魚を干す光景が広がっています。
週末は観光客が多いのでしょう、新しめのフードコートも完備。タイ式ですが、きれいに掃除されたトイレもあります。周囲のだだっ広い空き地も駐車場になるのかもしれません。
帰り道は案の定、渋滞に巻き込まれましたが、明るいうちにBTSプロムポン駅に到着しました。
汗だくだくの地獄めぐり、明るいうちから恐縮ですが、ビールで祝杯をあげました。
地獄絵巻を教訓に徳の高い人生を送れるのか?
いや、こんなに楽しいなら、地獄に行ってみたくなった煩悩の女たち。
タイムテーブル
09:30 BTSプロムポン駅出発
10:50 ワット・パイローンウア到着
11:00 本堂見学
11:30 地獄ランド到着
12:10 奥のお堂見学
12:20 境内の市場散策
12:45 境内でお昼ごはん
13:10 タクシーと合流
15:10 BTSプロムポン駅到着
見どころ
ワット・パイローンウア วัดไผ ่โรงวัว
場所 Moo 11, Bangtathen, Songphinong, Suphanburi
For Taxi: ม.11 ต.บางตาเถ ร, อ.สองพี่น้อง , จ.สุพ รรณบุ รี
時間 拝観7時~18時 無休
料金 無料(拝観は任意のお布施で)
行きかた
・タクシー
帰りの足を確保するため往復料金で交渉。高速利用で所要時間片道1時間半~2時間が目安。今回は3名で往復3000Bでした。ちなみにメーター料金だと107kmで800B弱(http://bkktaximeter.appspot.com/en)。
現地待機での往復料金の相場は2000B前後。帰りは渋滞する場合も。
食事どころ
境内の市場内のフードコート
ラーン・ジェー・トゥック (フードコート右端のご飯もの屋) ร้านเจ๊ตุ๊ก
料金 カオ・マン・ガイ(蒸し鶏のせご飯)40B、カオ・ナー・ペット(あひる肉のあんかけご飯)40B
お土産どころ
境内裏手に乾物店がずらり、店の裏で干している。ぬか漬けの川魚や調味料、日用雑貨も種類豊富。
評価
ローカル度 ★★★★☆
サバイバル度 ★★★★☆
グロテスク度 ★★★★☆
人生見直し度 ★★☆☆☆
抱腹絶倒度 ★★★★★
注意点
・ 平日は閑散としているので夜間は避けよう
・ とにかく広くて暑いので帽子や水は持参
・ 公共交通機関は難易度が高いので、タクシーの貸し切りがおすすめ。帰りの足の確保は必須!