20代半ばの女子ふたりが、バンコクの西に隣接するナコムパトム県へ。キャンパス街と仏塔の街、ナイトマーケットであれこれ食べて、お腹いっぱい楽しんできたようです。次はあなたがキラキラした時間をすごせますように。
【旅して書く係】 かわじりょうこ 旅の心得。疑問はその場で解消! とりあえず食べてみる! 笑顔を!
ロット・トゥーを降りて深呼吸。
1時間しかバンコクから離れていないのに、「全然違うね。素敵な街ね」と、タイ人カメラマンのゲームと顔を見合わせ思わずにっこり。自転車でチリンチリンとゆっくり走る人が目立つ。
シラパコーン大学のナコムパトム・キャンパスは、タイの芸術家を目指す学生さんの学びの場。だからなのか、伸び伸びとしていながらも、心地よい緊張感を持った空気が大学を中心に町を囲んでいる気がする。
大学前の人があふれた活気ある屋台でご飯を食べていると、日本人が珍しいのかテクテクと寄ってきた男の子。
思わず「一緒に食べる?」と声を掛けると照れ笑い。かわいい。到着10分足らずで、すでに町の魅力に捕まってしまった。
ラマ6世の生活を想像しながら歩く
シラパコーン大学に隣接したサナームチャン宮殿に到着。樹齢105年の大木からきらきらと光る木漏れ日が眩しい。ここはラマ6世時代の宮殿で、タイの忠犬ハチ公とも言えるラマ6世の飼い犬「ヤーレー」の像も建っている。好奇心いっぱいの私たち。
「なぜヤーレーは死んでしまったの?」「どうして部屋と部屋の敷居がこんなに高いの?」「ラマ6世って何人お后様がいらっしゃたの?」と、気になったことを係員に質問攻め。素朴な疑問に対する回答すべてに、ラマ6世の功績が関わっていてとても興味深い。タイの歴史好きな人は、実際足を向けて聞いてみて欲しい。
宮殿内を、庭の花の香りを乗せた風が吹き抜けていく。甘くそして柔らかい風に、私とゲームは宮殿内でついついうたた寝。つかの間の夢の時間は、歴代の王たちが愛し守り続ける、この国の優しさに包み込まれたかのように穏やかだった。
自分に足りないもの大切なもののために祈る
3人乗りバイクタクシーは、友との楽しい旅ならではの移動手段。到着したのは120.45mの高さを持つ世界で最も高い仏塔、プラパトム・ジェーディー。
大きい。ただこの一言のみである。ここには仏塔以外にも興味深い場所がいくつもある。小さい鍾乳洞の中には単なる石灰石の溶食なのか、はたまた毎日の僧侶たちのお経によって、不思議な力が働いたのか……、鍾乳石には坐像が現れていた。
神秘的な気持ちを胸に鍾乳洞から出ると、なぜか水がじゃばじゃばと降りかかってきてサンダルがびしょ濡れに。唖然とする私たちを大笑いするメーチー(女性出家者)と老僧。
遠くから仲の良い兄妹の笑い声も響いてきた。そんな何気ない光景に自分の家族との時間と重なった。タイの寺院に来るといつも日本にいる家族のことを思い出す。
改めて今の自分のすべてに感謝を込めて手を合わせた。
空飛ぶアイスにカブトガニ!
18時を回ると、急に辺りがにぎやかになってきた。ナイトマーケットが開かれるらしい。お腹も空いてきていて、つい早足になる。何を食べるか、あれこれ悩んでいると、カブトガニを発見!初めてカブトガニを食べてみることにした。青マンゴーサラダと一緒に食べるのがタイ式だそうで、特製マナオシーフードタレに付けてぱくり。お気に入りの一品となった。別に注文したエビはプリップリ、身がぎっしりで食べる手が止まらない。カニみそもしゃぶってお腹いっぱい、胸いっぱい。
一息ついていると、シーフード屋の隣のフルーツカキ氷屋が目に止まった。食べるか否か悩む私たちに「ここの甘味はバンコクのとは違っておいしいよ」と誘惑するおばさん。悶々としているうちに最終バスの時間がきてしまった。
帰りのバスの中でも、心残りはデザートのフルーツカキ氷。興奮醒めない私たちは、次は絶対カキ氷を食べに来ようと約束した。
今度来る時は、また違ったナコンパトム県に魅了されるのかと思うと、今から胸が躍る。
サナームチャン宮殿
住所 22 Borommarachachonani Rd. Talingchan, Bangkok シラパコーン大学インターナショナルカレッジ隣接
営業 10時~17時 無休
料金 外国人50B、タイ人30B
プラパトム・ジェーディー
住所 Mueang Nakhon Pathom Nakhon Pathom
営業 7時~18時半 無休 ※夜のライトアップあり