バンコクの日常からほんのひとときエスケープできるバンコク近郊のローカルスポットへ。見どころ1つ、昼食スポット1カ所が基本コース。今回は王宮広場2と言われる市場へ! 次はあなたが行けますように。
旅して書く係 未空。在タイ4年、日本米を炊いてタイのおかずと食べるのが好きな28歳女。
カフェでタイ友が見せてきた雑誌のカラフルなページによると、今どきシンガポールや香港のタイ通はチャトゥチャックをパスしてここに来る、という穴場のマーケットがバンコクとナコンパトムの県堺にあるらしい。そんなとこ知らなかった。よし、今度の休みに!
思い立ったは日曜朝9時。行き方はふた通り、アヌサワリーからピンクラオ通りを行くか、ウォンウィエンヤイからペットカセーム通りを行くか。BTSウォンウィエンヤイ駅で初下車してみたいので後者に決定。
1番出口の階段すぐのソイ・クルントンブリーを直進、向こうにロビンソンが見える大通りに出たら、左に曲がってタクシン大王の騎馬像を囲むロータリーへ。ここまで徒歩約10分、モタサイなら20B。交番で食事中のおまわりさんに「タラートトンブリーまで行きたいんですけど」と訪ねると、その手が止まった。「遠いよ~」。どうやらバスを乗り継ぐことになるらしいです。
まずタークシン大王の右後頭部あたりから伸びているタノン・インタラピタック(Intharaphitak)で84番赤バスに乗って5分、「タープラ」交差点で下車。道なりに左折しラチャダーピセーク通りを進んで陸橋を渡ったところ(ソイ23付近)で91 の赤バスを待つ。なかなか来ない。待つ。30分後にバスが来る。ジャスコ、ビッグCを過ぎ、カルフールを右折して、約50分かけて到着。
ここは路線の終着点。バスを降りた反対側がタラートです。ふぅ、出発してから2時間以上かかった。
動植物度、かなり高い
着いてみれば一目瞭然ですが、メインは蘭の花と魚および小動物たち。地主が商いの場にと周辺の蘭農家に土地を提供したのがそもそものはじまり。バンコク都の管轄になった今でも格安の場所代がキープされているのと、農家やブリーダーが自ら売りに来ているのとで、安くて質のよいものが手に入るのです。熱帯魚や金魚の水槽がずらりと並ぶ魚ゾーンには、珍しい白ザリガニなんかも。蘭にいたっては1株80B、こっちは2株100B、おぉ切り売りの蘭が1束10B!
何より売り手のみなさんが楽しそうなのがよろしい。「サナームルアン(王宮広場)2」という別名の割に骨董品やプラクルアンのお店は多くありませんが、マニア向けのデッドストック商品を扱う店も2、3軒。ローカル色が強く、外国人観光客の姿はついぞ見かけませんでした。
地元客でにぎわう、ほのぼの集合食堂
遅いお昼を……と、バスで前を通ったときに目をつけていた一角へ。いったんマーケットを出て、目の前の橋を渡って右へ徒歩5分。「バーンマーイ・クイティアオムー・タムルン」と呼ばれているここは、木造の建物にいろんなタイ食店が入っている場所。庭にはブランコがあったりして可愛く和める雰囲気で値段も安い。好物のカオ・クルック・カピ(30B)とココナッツアイス(20B)を食べ終え、長居したら疲れがだいぶ取れました。
そうそう、マーケットの向かいにあるヤシの木公園もおすすめの休憩場所ですよ。昔はココナッツの果汁を蘭栽培の肥料として使ったのだそうです。帰りは、マーケットの入口から乗ったソンテウ(5B)を「タラート・プッタモントン」で降り、道路を渡ったセブンイレブンの前から515番のエアコンバスでアヌサワリー駅へ(24B)。往路をアヌサワリー出発にする場合は、この逆のルートで。チャトゥチャックのローカル版というには蘭と魚ばかりですが、植物密度の高い至極平和な場所でした。
追伸 高さ約16メートルの遊行仏で有名なプッタモントーン公園は目と鼻の先。ここから伸びる、ホンという伝説上の鳥の彫刻を施した街灯が両脇に並ぶウタヤーン通りは壮大な眺め