男と女の学際研究

PPMでおのれを知ろう! vol.006

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男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~

4人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。

 

経営学 林 拓也

前回は日本男から見たタイ女へのアプローチ方法について論じましたが、今回はその逆を、特にタニヤなどにいる夜の蝶の観点から見ていきたいと思います。

 

最適な経営資源配分は?

PPMというアメリカのボストン・コンサルティング・グループが考案した有名な分析ツールがあります。これは企業が限られた経営資源を複数事業へ最適に配分する際に用いるツールの一つです。ある事業の相対的シェアと市場成長率という2つの軸から4つのセグメントを導き出します。

 

相対的シェア(高)−市場成長率(低)は「金のなる木」

相対的シェア(高)−市場成長率(高)は「花形事業」

相対的シェア(低)−市場成長率(高)は「問題児」

そして、

相対的シェア(低)−市場成長率(低)は「負け犬」となります。

 

企業は「金のなる木」から得たキャッシュを「問題児」へ投入し、この「問題児」を「花形事業」へ育て上げ将来的に新たな「金のなる木」へ成長させることが理想となります。

実はPPMを駆使する夜の蝶

 

実はタニヤなどの夜の蝶達の行動も、この手法をベースに考えると非常にわかりやすくなります。

 

ここでの市場成長率は日本男のタイ市場への熱中度であり、相対的シェアは彼らの自分への関心度と言えるでしょう。

 

彼女達は皆同時に複数の日本男を抱えていると思われますが、その中で安定的財布である「金のなる木」君を持つ娘達はそこで得たキャッシュをまず「花形事業」君へまわし、時には高価なプレゼントをあげるなどして自分への関心をつなぎ止めようとするでしょう。

 

ところが悩ましいのは「問題児」君で、これは全てが新鮮に映ってしまうタイ初心者のウブな日本男に多いでしょう。その時蝶はたまたま自分の店へ遊びに来ただけなので次は期待できないと考えるのか、あるいはこれを機会に自分へハマらせて沈没させてしまおうと考えるのか。後者の場合、タイ女自慢の微笑みとホスピタリティを武器に「花形事業」君へ成長させるため努力を惜しまないでしょう。

さて、心当たりのある日本男さん達、皆さんはお目当ての蝶から4つのセグメントのどこへ位置づけられているのでしょうか。

 

【参考文献】遠藤功(2005)『企業経営入門』日本経済新聞出版社

 

HayashiProfile はやし・たくや
東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。シーナカリンウィロート大学社会科学部客員研究員、桜美林大学准教授を経て、現在は青山学院大学教授。博士(経済学)。専門は現代日本経済・経営史、アジア経済・経営史。

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