男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
4人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
今回の著者:心理学 平松隆円
幼いタイ女と付き合う日本男
その昔、高度経済成長期からバブル期にかけて、アジアで少女買春ツアーをおこなう日本人がいると、世界で話題になった。
今のバンコクでは、買春ツアーの時代のように、簡単に少女と楽しむことはできない。それでも、未成年者とおぼしきタイ人女性と一緒の日本人男性は、夜の街には多い。
ところで、タイで生活していて、多くの駐在員が共通に感じるであろうことに、タイ人の幼さがある。駐在員のあいだでは、「タイ人の精神年齢は、実年齢マイナス10歳と考えるといい」とさえ、いわれる。
タイ人を幼くさせる3つの仮説
2014年に、タイ保健省は小学1年生の知能指数検査をおこなった。それによれば、平均知能指数は93・1(都市部で100・7、地方では89・2)だった。知能指数には、いろいろな考え方があるが、従来的にいえば、生活年齢と精神年齢の比である。
なぜ、タイ人は幼くなるのか。3つの仮説を指摘したい。
①叱られずに育つ。そのため、叱られ慣れていない。会社で叱ると、次の日には辞職することすらある。宿題をしなくても、遅刻しても、叱られずに育ってきたことが幼くさせている。
②親離れ、子離れできていない。タイ国家統計局が2012年に実施した調査によれば、子供の21%にあたる300万人以上が、親が出稼ぎのため、両親またはどちらかの親と暮らしていない。親と子供は年に数回しか会わない。そのため、親は甘やかし、いつまでも子供扱いのまま。
しかしこれは大きな問題。実際、マヒドン大学の研究で、両親と暮らしていない子供の25%に、発育の遅れがみられることがあきらかになっている。
③自律的思考ができない。大学生でも、自分の考えを述べず教員と議論ができない。年長者に絶対服従のタイ社会が、思考の成長を停止させている。
大人でも幼いタイ人。若いタイ人女性と付き合うときは、苦労は当然。成人女性でも、高校生と変わらないなかで、当時、少女と付きあった男性は、かなり大変だったろうとおもう
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ひらまつ・りゅうえん
心理学者・日本研究者。国際日本文化研究センター講師、京都大学研究員、チュラロンコーン大学講師などを歴任。博士(教育学)。専門は化粧理学や化粧文化論。男女の恋ゴコロに関する心理や文化にも詳しい。 |