男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
4人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
環境工学 岡寺 智大
近年、日本を訪れるタイ女は年間5~7割も増加しています[1]。この傾向が続けば、タイ女と結ばれる日本男は日本各地で増えるなんてこともあるかもしれません。そこで、今回は日本男と結ばれたタイ女の嫁ぎ先を調べてみたいと思います。
最近は大都市に嫁ぐ傾向
2014年の日本男・タイ女の婚姻件数(965組)の都道府県別内訳[2]を見ると、東京都(162組)が最も多く、タイ女の多くは東京都に嫁いでいるようです。次いで千葉県(96組)、神奈川県(83組)、埼玉県(66組)、茨城県(65組)となり、関東地域に嫁ぐタイ女も多いです。また、大阪府(63組)、愛知県(51組)も上位となり、大都市を抱える県に嫁ぐタイ女も多いと言えそうです。
ちなみに、婚姻件数がピークを迎えた2000年時点(2137組)の都道府県別内訳[2]を見ると、千葉県(377組)が最多で、ちなみに、これは日本男・タイ女の都道府県別婚姻件数で歴代1位の記録となります。続いて、東京都(288組)、茨城県(286組)、長野県(186組)、神奈川県(178組)の順となっています。
千葉や茨城は激減している
この2時点を比較すると、上位にあった千葉県、茨城県および長野県の婚姻件数の減少が著しく、2000年の婚姻件数の23%~25%にまで落ち込んでいます。東京都も2000年の婚姻件数の56%にまで減少していますが、全国平均(45%)に比べて緩やかな減少といえます。神奈川県や大阪府も同様の傾向にあり、愛知県に至っては28%増加しています。
以上の事から、2000年以降の日本男・タイ女の婚姻件数の急激な減少は、千葉県や茨城県といった地方での婚姻件数の減少によるところが大きいと言えそうです。一方、大都市を抱える都府県では比較的減少率が抑えられている事から、都市と地方では状況が異なりそうです。
この要因としては、首都圏や大都市圏と地方の間の格差が想定され、日本男・タイ女の恋愛成就には、地方を活性化し、地域格差を改善する事が重要なのかもしれません。
【参考文献】[1]出入国管理統計年報(法務省)、[2]人口動態調査(厚労省)