古の都よ博物館リゾートで眠れ
バンコクから入った1月のチェンマイは日中でも30度を超えない甚だ快適な気候で、木陰に身を寄せると空調の効いた部屋にでもいるような生かされている喜びに浸ることができる。
空港から東へ15分。国道からすれ違うのがやっとのソイに入り、家並みを抜けると大空をキャンバスにした歴史的建造物が城門とともに出現する。城壁に囲まれたリゾートはバンコクの王宮全体とほぼ同じ60エーカーという広さだ。
2001年、プロジェクトの中枢にいたタイ人デザイナーがリゾートのコンセプトを700年前のラーンナー王朝を蘇らせる歴史博物館と定める。その広さゆえマスタープランを作らず、巨大なジグソーパスルを組み合わせるようにして城壁の中にラーンナー期の「町」を再現していったそうだ。
2004年12月にオープンしたリゾートの客室は現在、コロニアルスイート、ビラ、長期滞在用のレジデンスを合わせた123室。小川や水田、ラーンナー朝の庶民の生活を垣間見るような民族博物館まである。
今回泊まったコロニアル・スイートは天井までの高さ5メートル。アンティーク調のインテリアが宮殿のようである。リビングを抜けてベッドに仰向けに倒れこみ高い天井を見つめると、背中と足の疲れが目の裏からベッドに流れ出してゆく。
入室したときの感動をもう一度、と扉を開けて外に出ると、ハウスキーパーが装飾が施され鏡のように磨きこまれた吹き抜けの廊下を、静かな足音を響かせ近づき去っていった。
先日、アコギャラリーで会ったデッサンの天才、ソンブーン女史なら今の光景をたちまちにして一枚の水彩画にしたはずだ。
Mandarin Oriental Dhara Dhevi, Chiang Mai
住所 51/4 Sankampaeng Road Moo 1 T. Tasala A. Muang Chiang Mai 50000
電話 0-5388-8888
HP www.mandarinoriental.co.jp
タイ在住者特別パッケージ料金(10月31日まで):コロニアル・スイート9000B/泊~、デラックスビラ15000B/泊~(いずれも税サ18.5%別・朝食込)。2連泊すると以下4つのサービスからひとつ選べる①空港とホテル間往復送迎②タイ料理の夕食(食事のみ2人まで)③中華料理の夕食(同②)④もう1泊無料(朝食込)