子どもの背伸びと踏み台
「チェックインしてくるよ」
「じゃあ、子供たちとあっちのソファーで待ってるね」
と、ママとパパ。
―パパ、あのカウンターで何してるの? 高くて見えないし。
「だめだめ、そのバスローブとスリッパは子供用じゃないから。大きすぎて転んじゃうよ」。
―お部屋の真っ白でふわふわのスリッパ、ママいいなぁ。
「食べてる間、ちょろちょろしないの!」
―ちゃんと食べたもん。もうおなかいっぱい。大人はどうして、長い間食べ続けられるのかしら?
家にはない、素敵なもの。申し訳ありません、お子様用はございません。
でも。高いカウンターも踏み台がついてて、子どもたちも上れば何でも見える。レセプションのお姉さんにサワディーカーって言っていた。
夕食を終えて戻ったら、就寝前のミルクとクッキーが届いてて。ぐっすり眠って、起きたら、川が朝日できらきら光ってた。「いつもどおりの早起きね」とねぼすけママ。
お昼のブランチ・ブッフェにはマジシャンやゲーム、風船やおかし。「ごはん食べ終わったら、遊んできていいよ」だって!
でもね、なんたってスペシャルだったのは……。ママと一緒にやったミルク・バス、ボディ・スクラブとマッサージ。ママみたいになれて嬉しかった。「親子スパなんてはじめてだね」、ママが笑った。
ママは言う。「背伸びしなくったっていいんだよ。いつか必ず大きくなるんだから」。だけど、やっぱりちょっとでも背伸びして、早くなんでもできるようになりたい。けど、背伸びしなくても手が届くようなしかけ―踏み台ひとつで、ちょっとだけ夢がかなう。大人っていう素敵な夢が。
Millennium Hilton Bangkok
住所 123 Charoennakorn Rd.
電話 0-2442-2000
HP http://bangkok.hilton.com
料金 3月11日のデラックスルーム5768B(税サ込)。
各種パッケージがあるので、詳しくはインターネットで確認してください。