ここはおひとり様でも楽園さ!
一緒に泊まるはずだった人が来なかった。泣けてくるが、仕方がない。ひとりチェックイン。おひとり様のリゾートが始まった。
予約していた部屋は、新しく生まれ変わったという、「デラックス・プレミア・リバービュー」。チーク材を使ったタイらしいインテリアと開放的なバスルーム、外の緑と調和する。
ベランダに出て、借景のチャオプラヤー川と広々プール、野生化した木々を眺めていた。「ビールでも飲むか」と、リゾート内の回廊とショッピングアーケード街の散策に出た。サンダルと短パンとサングラス、やる気マンマンのリゾートファッションでぷらぷらする。終点はプールサイド。サンデッキで1杯2杯とあおり続けた。
何だ、気持ちいいじゃないか。すれ違うスタッフも気さくで、スポーティーな印象だ。気取りがなく、目が合ってもニッコリ笑える。所在なさ気にならないですむ私。赤ら顔で、ふたたび庭を歩いていると、準備中の結婚披露パーティー会場に入り込んだ。スタッフが「もうすぐ始まりますよ」と教えてくれた。
……つらい。
でも、いいな、暮れなずむ緑と川沿いウェディング。入場してきたのは、ともにぽっちゃりしたタイ人カップル。よかったですね、成就して。いつか私も、だ。心は揺れるけれど、救われているのもわかる。
さて、ごはん。やっぱり2名で予約していたトレイダー・ヴィックスで、「マンゴーとアボカドたっぷりの大エビの前菜」と「アヒルのバーベキュー」をがっつり食べた。これがおいしかったんだ。
部屋のお風呂は、ぶっくぶくにシャボンだらけにして、ドアを開けっ放しにし、テレビの映画を観ていた。長風呂が終わったころ、ケータイが鳴った。来なかった人から「ごめん」だと。「いいよ別に。楽園だよ!」と、本音でもあり、強がりでもある言葉がぽろっと出た。
Anantara Bangkok RiversideResort & Spa
住所 257 Charoennakorn Rd., Thonburi, Bangkok
電話 0-2476-0022
HP www.anantara.com
Email bangkokriverside@anantara.com
料金 7月7日のインターネット料金例:デラックス・プレミア・ルーム4165B、
デラックス・プレミア・リバービュー4675B(朝食付、税サ別)