ちょっトリップ

伝説の線路市場「タラート・ロムフープ」

309号マハチャイの旅で登場した俳優兼詩人のペロンヤスさん。今回届いたのはメークローンのトレイン・マーケット。2年前は女子3人が「近くの木炭工場にも」行ったよ。そう言うと「俺らは電車と鬼ごっこしながら映像を撮った」野郎ふたり旅だよ、って。次はあなたが3組めの旅人となりますように。

旅して書く係 ペロンヤス  名セリフ「新芽ちょうだい」で知られるユニフのお茶のCMで知られる。ここでは、独特の旅情を表現してシリーズ化を狙うが……。

朝7時半、野郎ふたりでBTSトンロー駅を出発し、サイアム駅でシーロム線に乗り換えウォンウィエンヤイ駅へ。ここから同駅名の国鉄に乗り換え、終点マハチャイ駅へたどり着いたのは9時35分。さらに対岸にあるメークロン線の終始駅バーンレム駅へ行くため、船で川を渡り、そこからサムローのおっちゃんとともに駅へ。「おばちゃん、戻ってきたで!」の挨拶。309号のワンデートリップの終わりがこのマハチャイ駅だった。動画サイト「スクムビット・TV」の撮影のため、最終電車を追いかけた。

楽しくて大爆笑し、また大爆笑されていた。屋台のおばちゃんが線路の先を指差し、「この先、めっちゃおもろいで。今日はもう電車ないけど」「えっ、おもろいの……?」。で、時間終了。今回は出会いがつないだ、その先の道へ、いざ! 目指すは東の終始駅、メークロンのタラート・ロムフープ。日本語に訳すと「傘をたたむ市場」である。

 

旅情誘う 車両の位置は一番後ろ

たどり着いたバーンレム駅。10時10分発の電車に滑り込んだ。今回もビデオカメラを回す。撮りたい絵は決まっていた。「東の終始点メークロン駅に到着する前、ひしめく市場の中を電車が駆け抜ける」。ぜひ、見たい。いや、ぜひ撮りたい。それぞれのポジションを考える。電車の運転席から見るような正面は入れない。となると後ろか左右か。一番後部座席に行くと、車掌さんが「撮影か」。なんと、すんなり後部運転席のドアを開けてくれるではないか。「特等席、ゴチになります」。

壮大な海老養殖場を眺めて1時間ほど経った。突然すべてが凝縮したような、何とも言えぬ活気に満ち溢れた市場が目の前に広がった。「すごい、活きてるわ」。メークロン駅到着11時20分。

ベストショットはコーヒー屋から

駅前のコーヒーショップで一息。その名も「コーヒー・イン・トレイン」。フレッシュコーヒーが20Bからと値段も国鉄並み。踏切横、線路市場の入口とあって最高のポジションや。到着した10分後にはもう出発。電車が通り過ぎた後を追うように、ひさしが線路市場を埋め尽くしてゆく。そして、僕らもひしめき合う市場の中へ引き込まれてゆく。電車と走る、臨場感たっぷり。いい絵なんだけどなぁ

「全力で走るんやから、ちゃんと体力つけんとかんとな」。海鮮ずくめの昼ごはんが並ぶ。やっぱりこのオチ、今回も電車と鬼ごっこ。電車を鬼にする。カンカンカン。雑踏にぎわう市場の中に踏切音が鳴り響く。売り子がゆっくりと腰を上げ、ひさしをたたむ。
人が散る。フォーン、フォーン。警笛が鳴り響く。野菜や新鮮食材が立ち並ぶ間を、市場の中を、線路の上を、ペロンが電車が駆け抜ける! ひゃあ~っ!

お粥と夕日と熱いエールと

最後の電車が入り、夕日がメークロン川に落ち始めた頃、船着場横に一隻の小さなボートが。水上御粥屋であった。夕日を前に鶏のお粥である。なんと素晴らしいシメや。たくさんの活力と日本に対しての熱いエール(震災後に行ったので)をくれた、この線路市場・メークロン。本当にありがとう。そしてご馳走様でした。

 

【メークローンインフォーメーションセンター】

電話 08-1560-9484、 08-5198-0052(タイ語)
HP  http://www.maeklongdee.com

 

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