ここ数年、運河沿いにアミューズメント型市場が出没しては消えるパターンが続いていた。
6月末にオープンしたばかりのバンコク近郊の水上マーケット、だいじょうぶかな?と見守るように2カ月。フェイスブックのファンページをのぞくと「いいね!」が500超え。
よし行くぞ! 次はあなたが「いいね!」の気分になれますように。
【旅して書く係】 まる子 郊外レジャーの女王。子連れで行けるもぉ~ん!
悲恋の物語から生まれた市場
まわりのタイ人に聞けば今最も行きたい場所だったり、早くもリピーターがいたりと評判上々だったのが、ここクワン・リアム水上マーケット。というわけで親子3人、満を持して8月12日の「母の日」に乗り込んで参りました。
都心からバンコク東郊へ向かうラムカムヘン(スカピバン3)通りを走ること20分強。
左側に見える「ワット・バーンペン・タイ」と書かれた門を潜り、お寺の駐車場に車を止めていざ。
市場へ続く沿道には花道の如く軽食系屋台が並び、入り口となるオープンエアスペースにも食事やお土産系の店がびっしり。
隣接する建物の2階には子供のプレイジムやマッサージ店も確認。
運河到達以前に早くも充実感とアイスティー、サイウア(チェンマイソーセージ)を抱えながら歩いていると、やたら「水牛」をモチーフにした看板やオブジェが目に付きます。
「ねえねえ、何で水牛なの?」と旦那に聞けば、そもそもこの市場は「プレーガオ(古傷)」というタイで知らない人はいない悲恋物語をモチーフにしており、市場の名前もその主人公「クワン」と「リアム」から命名されているのだと。
愛し合いながらも決して一緒になれない若きカップルが、水牛を引きながらバンコク郊外の運河沿いを歩くシーンを彷彿とさせる演出がされているというわけです。
バリアフリー仕様の市場
そんなロマンティックなバックグラウンドと裏腹に、運河を跨ぐ大きな橋がモダンなのにはびっくり。しかも、両サイドにはなんとエレベーターが。
タイの運河に掛かる橋は下を船が通過するためアーチ型をしており、勾配のきつい坂や階段があるため、お年寄や妊婦、体の不自由な人のためにエレベーターが設置されています。
だれもが安心できる作りになっているのはいいこと。
いつか日本の母を連れて来たいなと思いながら運河を見下ろせば、水上マーケット名物「ボートレストラン」が停留しています。
その中のひとつ、トムヤムヌードル店でランチを目論むも、行列はいつまでも縮まらず、持ち帰り注文も引っ切りなし。
痺れを切らした娘のご機嫌を取るため、先にボートに乗ることにしました。
日常生活が見える市場
向こう岸の2階建てデッキタイプのアーケードを歩いていると、有名なパン屋やアイスクリーム屋さん、OTOP商品を扱う店があったりと、200以上ある店舗はどこも確実な味や品揃えでお客さんを掴んでいました。
屋根のひさしから放出される冷たい水蒸気を浴びながら1階の船着場へ降り、10Bで行ける30分間のセンセープ運河クルーズに出発です。
「去年この辺り洪水だったよね」と話す私と旦那の横で、娘はルンルンしながらお寺からカップルがタンブンの貝を放つ様子や、魚の仕掛け網、川面ぎりぎりに迫り出した民家のベランダに見入っていました。
アスファルトの道路ができた後も、水路はまだまだ市民の生活の一部なんですね。
船を降りると、ちょうど併設のお寺では母の日の説法が唱えられていました。
早朝には托鉢も行われているそうで、市場の賑やかな雰囲気を楽しむことも、お寺の厳かな雰囲気を味わうこともできます。
チビッコも飽きない市場
買い食いで繋いだお腹も本格的に空いてきた3人、依然人が途切れない船上屋台は諦め、入り口近くで気になっていた「カオ・ナー・ペット(ローストダック乗せご飯)」の店でランチをすることに。
すっかり一人前を食べられるようになった娘の横顔を見ながら旦那が「タラート(市場)初制覇」と小さくガッツポーズ。
これまで他県も含めてあらゆる市場に遊びに行くも、冷房がなく人混みが苦手な現代っ子の「もう帰る」の一言で、きちんと見て回れたことがなかったのです。
でもここは水辺だから暑さが気にならない、そして今風なデザインがミックスされているせいか娘も気に入ったよう。
次は、日タイ両方の家族揃ってお出掛けに来たいな。
クワン・リアム水上マーケット
住所 Wat Bamphen Nua Soi 60,Seri Thai Rd.-Wat Bangpheng Tai Soi 187 Ramkhamheng Rd.
営業 土日6時~20時
電話 08-7701-2878
HP http’//kwan-riamfloatingmarket.com
https://www.facebook.com/kwanriamfloatingmarket?ref=hl