×(コラボ)
日本人のビジネスアイデアには惹かれるものが数多くあるが、なかでも気に入っているのが「コラボ」だ。
コラボは様々な分野で盛んに行われ、知名度のあるキャラクター同士を組み合わせたコラボ商品が数多く誕生している。代表格はハローキティだろう。ドラえもんやふなっしー、新しいところではワンダーウーマンともコラボしている。音楽とゲームの「ベビーメタル×スーパーマリオ」、飲食店と映画の「スイーツパラダイス×ゴジラ」など、異業種間コラボもなかなか興味深い。
商売は競い合うだけでなく、助け合って切磋琢磨するのが理想的だ。消費者にとっても、より有意義になる。
クイジャップ・カームー
タイにはまだそのアイデアが輸入されていないようだが、たまたま外出先で見つけてしまったんだ、コラボされた屋台料理を。クイジャップとカオ・カームー(豚足煮込みのせご飯)という、2種類の定番料理のコラボだ。ただし、コラボするのはクイジャップと豚足だ。ご飯はない。
クイジャップのスープは、漢方と豚骨を長時間かけて煮出したパロー仕立て。やわらかな芳香を放っている。豚足は、クイジャップスープよりも濃厚なパローで2時間以上煮込み、さらに1時間以上寝かせたもの。
スープをひと口すすってみる。まろやかで奥深い漢方の香りが鼻の奥まで広がり、意外と薄味のスープはのど越し良く滑り落ちていく。
主役の豚足はひと口大に切られ、それぞれ皮と赤身がバランスよくおさまっている。柔らかな噛み心地はまるでとろけるようだ。茹で卵も乗っている。白身はうっすらと醤油色に染まり、ほのかな甘みが感じられる。これもまた、クイジャップと豚足と良く合うんだ。
最後に問題を出しておくよ。
「クイジャップ×カオ・カームー=?」
答えはドンブリの中にある。
ドゥアンペン
創業は75年前。3代目店主チェンさん(65)によると、まず初代であるチェンさんの祖父がクイジャップの店を始め、やがて跡を継いだ父がカオ・カームーを加えた。3代目は両方の看板メニューをコラボしたというわけだ。
コラボのきっかけは、両方を一緒に食べたいという客の要望だった。希望どおりクイジャップの器に豚足を加えてみたところ大成功。豚足は中までしっかりと味がしみて、うまい! これで50B。ぼくの問題に挑戦するにはちょうどよいかな。
DATA
時間:7時半~16時 無休
電話:08-4661-2994