ちょっトリップ

スワンナプーム空港から車で30分 ボート遊びは雨乞いの記憶 「クローンスアン100年市場」発《レジャーその144》

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運河に架かる橋からチャチュンサオ県側を望む

 

タイに数多ある市場のうち、100年を越える歴史を持つであろうものを「100年市場」と呼ぶ。
その中のひとつ、サムットプラカーン県とチャチュンサオ県とにまたがる「クローンスアン100年市場」。
タイの原風景が色濃く残るこの場所から、運河の上流に向かうボートツアーが催行されている。
出発するかはその日の運次第。乗って、見るものに価値があるのではない。乗ってみる、ことに価値がある。

 

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【旅して書く係】ミッキオ・ピノッキオ/チェンライの酵素風呂ファン

 

モーターウェイから垣間見た運河

ずーっと気になっていた。モーターウェイでスワンナプーム空港を過ぎ約10分。オンヌット出口手前にかかる陸橋の上から左手に一瞬、100年前から変わらないような運河の景色がある。時速100km以上で飛ばす車窓から垣間見るそれは、いつ見ても鏡のように静まりかえっていた。

 

100年市場発の観光ボート

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100年市場の入口

 

先日、シーラチャーの市場で新鮮なアジを求めた帰り、サムットプラカーン県(とチャチュンサオ県とにまたがっている)のクローンスアン100年市場へ寄った。以前ここで買った「朝鮮人参エキス入り毛生え薬」を切らしていたからだ。

 

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橋のこちら側と左側がチャチュンサオ県。あちら側と右側がサムットプラカーン県

 

市場内の突き当たりの角に船着場があり、観光ボートに呼び込む声が聞こえた。ボートで運河を上り、お寺と博物館に立ち寄って帰ってくる1時間半のツアーで70B。反射的にボートの先頭に飛び乗った。ここは気になっていた運河の上流だと気付いたのだ。

呼び込みの声は夏の蝉のようにダルそうに同じフレーズを繰り返している。6人ぐらい集まらないとツアーは催行されないのだ。実は、このツアーに参加するのは二度目。一度目は偶然飛び乗ることができ、今回はこの記事を書くため、先週の日曜日と昨日の土曜と通い詰めて今日やっとボートをものにした次第だ。

日曜日の11時ごろから呼び込みが始まるようだが時間どおり出発するわけではない。電話番号をカウンターで告げて、ぶらぶらと市場内を散策して出発までの時間を待てばいい。

 

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かつては貨物船が往来したため、橋桁が高い

 

水しぶきの壁を突き抜ける

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ひたひたと静かに 

 

ボートは運河の成り立ちや有り様を映像で見せるようにゆっくりと進む。目前に絨毯のように浮く布袋草をぎゅうぎゅう押し分け進む。魚やエビを獲る巨大な網が仕掛けられているかと思うと蛙の養殖をしているところもある(蛙の腿は美味だ)。

運河沿いの家屋の前ではアクセルを絞り、家屋がなくなると開く。舳先は鏡の水面を容赦なく切り裂き、水しぶきがゆっくりと左右に舞い後方に消え去る。蝶の羽を思わせる波紋が遅れまいとボートについてくる。あっという間の20分。テープパラー・パワラランというお寺の船着場に着く。ボートに乗っていたガイドのタイ人に促され、お寺を通り抜け、博物館を見学する。

 

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キラキラと万華鏡の世界を通り抜ける

 

帰路のボートでは最後尾に陣取った。エンジンに直結したプロペラが運河をねじって推進する。水しぶきを逆光と順光で捉え、シャッタースピードを変え、デジカメのバッテリーの残量を気にしながら撮影に没頭した。人は火を見ると落ち着くように、水しぶきを見ると太古からの雨乞いの記憶が蘇るのか。

 

市場でネタになっていた

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運河沿いのテラス。天井はボートの底みたい

船着場に到着。レトロな茶店でビールを飲む。つまみは、パチパチと炭火で焼かれていたトウモロコシ。意外や意外、小粒でコーンスープのように甘みがある。

ツアーガイドのおばさんがこっちにやって来た。「実は気になっていたんだよ。あんた昨日もここに来ただろ。今日、お客が集まらなかったらどうしようかってさ」。お茶屋のおばさんが言う。「昨日だけじゃないさ、この人は先週も来てたよ」。船着場前のココナッツアイス屋台の兄さんまで。「先週はボートが出ず、ここでアイスを買ったね」。

お客は市場コミュニティの格好のネタになる。100年前から。

 

タイムテーブル

12:00    バンコク発
12:40    モーターウェイをオンヌットインターチェンジで降りる
13:10    クローンスアン100年市場着
14:15    市場の船着場発ボートトリップ。13時45分発と言われたがこの時間まで待たされる
14:35    お寺の船着場着
15:15    お寺の船着場発
15:30    市場着。トウモロコシ食べてビール飲んでダベって16時にバンコクへ
17:00    バンコク都内着

 

見どころ

クローンスアン100年市場
(KLONG SUAN100 YEARS MARKET)
場所:Ban Rakat Klong Suan Rd.,  Klong Suan, Bang Bo, Samut Prakarn
電話:0-2739-3351(タイ語)
時間:7時~17時 無休
料金:ブリキの入れ物85B、ホーロー入れ物140B〜、ナマズ一夜干し150B/kg、雷魚一夜干し250B、毛生え薬400B、ノニの白髪染め10B、チャンビール大瓶60B

 

行き方


【1】プルンチット入口から50B払い高速へ。25B払いモーターウェイ乗り入れ
【2】スワンナプーム空港を過ぎ、オンヌット出口を降りる
【3】道なりに1分。突き当りを右折
【4】ひたすら直進。30分ほど走ると見逃したくても見逃せない大きなタイ語の「クローンスアン100年市場」の看板が。そこを左折。突き当りが市場です

ロット・トゥー
BTSエカマイ前の東バスターミナルからチャチュンサオ行き。クローンスアン100年市場で途中下車

 

お食事処

市場内でつまみ食い。
料金:ニラ饅頭15B、中華麺40B、焼きトウモロコシ15B

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