おなじみ髙田パパのレジャーシリーズ。今回は「在タイ12年で小さな子供もいるのに、日本語ガイドブックにも載っている、このメジャーな動物園に行ったことがない」ということで、開園から64年経つ動物園に行ってもらいました。日本の動物園とはかなり勝手がちがうようで……。
次は肉食獣とあなたが向き合うことになるのでしょうか!?
【旅して書く係】髙田胤臣:子供孝行な父は、ほぼ当コーナーの専属ワンデートリッパー
10年以上ショーをしていて、噛まれたこともあるのだとか
ワニとトラ。野性あふれるふれあい
バンコク周辺の旅行を紹介する日本のテレビ番組でも取り上げられたのを見たことがある。だが観光客だけでなく、タイ人家族たちのレジャー施設でもある「サムットプラカン・クロコダイルファーム&ズー」は、バンコク中心部から車で1時間も走らせると着く隣県の動物園。名前はよく聞くのに行ったことがなかったのだ。
左)あまり動かないので、置物なのかと思うようなワニ
園内はどことなく昭和臭を漂わせていた。案内板を見ると思ったよりも広くて、世界最大という自称があながち大袈裟でもなさそうだ。実際、何匹いるのか正確にはわからないほどのワニが飼育されている。従業員によると、1万匹以上という。(関係各所や個人のサイトでは、8~10万匹とある!)。ほかにはゾウやトラ、サル、シカ、クマ、カメなどがいる。
ここの目玉は1日7回以上行われる「ファイティング・クロコダイル・ショー」だ。演者さんたちが開いたワニの口に手や頭を突っ込む。ショーの場所がわからないので従業員に聞こうとしたら、背後にトラがいた。200Bでトラと一緒に写真が撮れるようだ。大きなトラはおとなしく寝転んでいる。しかし、ショーの時間が迫っているので帰りに撮ることにした。
まったりショーの裏方を見よ!
左)客の大半が中国からの団体だった 右)パンフレットにもなっているので、これが決めポーズらしい
ショーの会場はコロシアムっぽく池を囲んでいる。始まったショーのダラダラ感はすごい。BGMも一切ないし、合間合間に中国語を混ぜてはいるが、基本的にはおじさんふたりがタイ語でお喋りしながらの学芸会風。それにしては命がかかっていて、ワニも瞬間的に口を閉じるときなんかはパクッと小気味よい音を立てる。
客の99%は中国人で、彼らは賞賛のチップを池に投げ込む。見れば1000B札もあるし、中国の2角紙幣も。2角は6円くらいなので、たぶん投げたいだけなんでしょう。
演者さんの若い方に話しかけてみた。「10年以上やっているよ。噛まれたことも何回かあるけど、恐くはないんだ」。
一体いくらくらいの賃金なのかが非常に気になった。ここでも200Bでワニに跨がって写真が撮れるそうだが、ショーのあとではちょっとコワいなあ。
左)スピードは遅いが、炎天下を歩くよりはマシなミニ機関車
右)ショーの合間のゾウは、のんびり木と戯れる
園内にはミニ機関車もあって、ぐるりと園内を周れる。なかなかうまくできていて、ワニ・ショーのあとにエレファント・ショーを見に行くには歩いてでは間に合わない。すぐに見たければ機関車に乗るほかないのだ。
といっても、ゾウのショーもまたダルダル感は否めない。BGMがディスコ並みの大音量だが、ショー自体はボールを蹴ったり、ダンボみたいに座ったりするくらいだ。待機中のゾウが木にしがみついてなにかしてたりなど、裏方が断然おもしろかった。
動物たちの食欲に向き合うエサやり!
このワニ園の楽しみは餌やりだ。ほぼ全種類の動物に餌を与えられる。ワニには魚の頭、カメやポニーには空心菜、サルにはバナナ。どれも20Bから買える。ワニはあまり餌を与えられていないのか、石のようにじっとしていたくせに走ってやってきた。
圧巻はカバとトラだ。カバには「こんなに近くでいいの?」というほどに近くでリンゴなどを与える。トラは池に飛び込んで鶏ガラを待ち構える。投げ込むと俊敏に飛び上がってキャッチした。この迫力はほかの動物にはなかった。
左)カバにこんな近くでリンゴをあげられる 右)ときどき飛び上がるので要注意
さて、帰り際、忘れずにトラの撮影小屋へ。午後イチの最も暑い時間だからか、寝そべっていたトラが起き上がってウロウロしていた。イライラしてそう。こ、こ、恐くて一緒に撮れない……。無料で撮れる柵の中のトラで我慢した。
タイムテーブル
09:00 自宅出発(バンナー近辺)
09:30 ワニ園到着
10:00 ファイティング・クロコダイル・ショー鑑賞
10:20 ミニ汽車乗車
10:40 エレファント・ショー鑑賞
11:00 昼食。あまりおいしくない……
11:30 ワニ、カメ、サル、カバ、トラに餌やり
12:40 トラとの撮影断念し、退園
行き方
【自家用車】
スクムビット通りをチョンブリー方面に走り、シーナカリン通りとの交差点を過ぎる。さらに、右にビッグC、左にロビンソンを通り過ぎたところにある信号のすぐ先のU ターン箇所から右折してソイに入り、あとは道なり。
【タクシー】
都心から250 ~ 350B 前後、BTS ベーリン駅から150 ~ 200B。帰りはトゥクトゥクなどがあるので、タクシーが乗れるところまで行ける。
【バス】
戦勝記念塔から536 番など。
見どころ
Samutprakan Crocodile Farm & Z00
場所 555 moo 7, Samut Prakan
電話 0-2703-4891~5
時間 7時~18 時:ショー(ワニ 月~金:9時~16 時 1時間ごとに計7回、土日:9時~17 時 1時間ごとに計9回、ゾウ毎日:9時40分~16 時40分1時間ごとに計7回)無休
料金 入場料:タイ人(大人80B、子供40B、外国人(大人300B、子供200B)、トラ、ワニと記念撮影:200B(2人程度まで)、ミニ機関車:大人30B、子供20B、動物へのエサやり:各種20B~、食堂:クイティアオなど40B~
HP www.worldcrocodile.com
注意事項
・ 時期によっては暑いです。飲料の売店は多いので水分を摂り、帽子などを被るようにしましょう
・ 全体的に動物にかなり近くまで寄れます。小さな子供が動物に噛まれたりする場合もあるので注意しましょう
・ 射撃コーナーがあります。そこでは本物の拳銃が撃てますが、銃は選べず、安全性にも疑問があります。自己責任で遊びましょう
・ 食事場所はありますが、正直おいしくないです。持参した方がいいかもしれません
評価
・ローカル度 ★★★★★
・マニアック度 ★★★★★
・セルフィー満足度 ★★★★★
・リラックス度 ★★★★★