男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
4人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
今回の著者:政策科学 竹本 拓治
この4年間で本学の学生約160名をタイに短期留学(約2週間)させました。タイ語学習や日系産業調査をする過程で、タイ学生と日本人学生が友情を育み、中には友情から恋愛へと発展する場合もあります。
タイ女と日本男の不思議
そのような本来の留学目的以外の成果(?)を冷静に見て、不思議に感じてきたことがあります。およそタイ男と日本女のペアはそうでもないのですが、タイ女と日本男の場合は「(特に女性が男性の)どこに惚れたのだろう?」と、しばしば疑問をもつことがありました。
第一印象で人気の日本男は毎年います。しかし第一印象は目立たなくても、いつの間にかつき合い始め、帰国後も頻繁に連絡を取り合うケースがあります。
クーカムにそのヒントが?
第23回で片山が『クーカム(運命の相手)』に触れていますが、同作品はこのような疑問にも貢献しそうです。ヒロインのアンスマリンは、小堀に反発していましたが、小堀は彼女のわがままな態度を受け入れ、一途な想いを貫きます。またアンスマリンは日本の規則に厳しい文化を知ります。それらが次第にアンスマリンの小堀への気持ちを変えていきました。
このストーリーがタイ女の心をつかむのは、配役の影響も大きいでしょう。しかし何十年もタイ女に支持され続けた理由は、第一印象だけではなく、礼儀正しさや規律文化に代表される日本人の精神の描かれ方にあるのではないでしょうか?
そうです!モテる日本の男子学生は、総じて几帳面で生真面目君でした。
平松がタイ女のわがままさ、精神年齢について述べていますが、一部のタイ女はもしかすると日本人だからこそ、小堀と同じようにわがままを受け入れて欲しいと望んでいるのかもしれません。私たちは日本文化が培ってきた几帳面で真面目な文化を忘れないことが大切ですね。
学生同士のカップルができることに対し、お堅い方からは「(否定的に)先生はどう思うのか?」と聞かれることがあります。もちろん当初の目的を学べば、友情や恋愛に引率教員が口を挟むことではありません。むしろ私はこう答えます。
「これこそ異文化交流の成果でしょう(笑)。その意味で成績は『優』をあげてもいいですね!」