男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
5人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
今回の著者:政策科学 竹本 拓治
キャリアウーマンというと、何かお堅いイメージがありませんか。でもタイ女はちょっと違います。
仕事柄、フリーランスや自営をしている方、学校の管理職など、多くのタイのキャリアウーマンと接してきました。およそ次のような印象を持っています。
柔軟に自ら楽しむスタイル
タイは結婚が早いですが、彼女らはアラサーでも独身の割合が高かったです。ある高学歴女性は「結婚しないほうが自由、自分で生活できるから」と、あっさり答えました。彼女は努力家で、勉強も継続しつつ仕事を続けています。ただ真面目なのではなく、生活に柔軟性を、ビジネスに冒険心と持続性をもっています。
タイの大学等が主催する研修プログラムがありますが、やってみると楽しく学べました。何よりその責任者の女性が一番楽しんでいました。タイではこのような責任者に何名も出会っています。
そして、面白いものを発見すれば、すぐに計画を変更します。こちらは日本人ですから、計画に曖昧さや変更があれば、心配し意見を挟みます。
しかし彼女らは「大丈夫!」と、自分達の考えを貫きます。彼女らは楽観的です。そして何より好奇心が強く、柔軟性があります。
偶然をキャリアに生かす?
計画的偶発性理論を提唱したジョン・D・クランボルツは、「人のキャリアの多くは偶然により決定され、偶然を計画的に設計すべき」としました。柔軟性、好奇心、楽観性、冒険心、持続性をもつ人ほど、自身のキャリアに良い影響を及ぼす偶発性を生み出すと述べています。
私は、この考え方とタイのキャリアウーマンが重なる気がしてなりません。日本のビジネスは真面目で堅いです。しかしそれが鬱や自殺など、現代の問題にもつながっていないでしょうか。
きちんと働きながらも、自分のスタイルを持つタイ女、彼女らこそ、今の日本人に必要な要素をもっているのかも知れません。