脱原発の切り札のひとつとして期待される象
発足間もないプラユット新政権は将来の電力不足に備えた代替エネルギー開発の検討を指示した。
2011年に起きた福島原発事故以降、タイ国内での原子力発電所建設計画は後退局面に移りつつある。原発を持たないタイでは導入に向けた検討も続けているが、その一方で将来の電力不足に備えた代替エネルギーにも目を向け始めた。
本紙では現在民間で進んでいる新しいエネルギー開発の最前線を取材した。
北部・チェンマイ県のエレファント・エレクトリシティ(EE)社では象に着目した発電技術の開発が進んでいる。直径30メートルにも及ぶ巨大な回し車の中を象に歩かせ、その回転力から電力を得ようという発想だ。
この象発電機から得られる電力量は1基あたり約10キロワット。6万基あれば火力発電所1基分に相当する。社内にはすでに30基の準備が整っているが、利口な象側は労使交渉を要求。現在「ブラック発電所」にならないよう、労働条件や待遇についてEE社側との交渉が続いている。
アユタヤー県にあるチャオプラヤー電力研究所では、近隣のチャオプラヤー川を利用した発電技術の開発に取り組んでいる。研究所内に設置された800台ものペダル式人力発電機をすべて稼働させることで、最大8キロワットの電力が供給できるという。
ペダルの漕ぎ手に補給する水はすべて近くを流れるチャオプラヤー川から調達。浄水に必要な電力もすべて人力で捻出するため、クリーンなエネルギー生産が可能だ。
今後の課題は漕ぎ手に必要な人員だが、同研究所では計画的な代理出産により年間十数人ペースで確保していく見通しで、すでにその計画の一部に着手していることも明らかにした。
Kyoko Shimbun(虚構新聞:http://kyoko-np.net)について
虚構新聞社・社主UK氏が2004年に開設した、虚実の狭間を行き交う可能性世界の出来事を報道するニュースサイト。「ありそうでなさそうで、でもやっぱりあるのかもしれないけど、まさかそんなことはないだろう」といった記事を掲載。当「バンコク版」においても内容はすべてフィクションであり、現実の人物・事件・団体とは一切関係ありません。本誌に掲載された記事により、損害や賠償が発生したとしても、著者ならびに編集部では一切の責任は負いません。