前川健一の象がバンコクを歩いていたころ

バイク・タクシー vol.005

バイク・タクシーが生まれた1980年代。まだヘルメット着用義務はない。

モーターサイは、オートバイという意味だが、正式名称のモーターサイ・ラップジャーン(オートバイのハイヤー」の意味)の省略形として、バイク・タクシーのこともさす。

バイク・タクシーの歴史はよくわからない。おそらく、バンコクでは1980年代初めあたりに、バスのない地域で生まれたようだ。郊外の新興住宅地だけでなく、バンコクの中心部にも不便な場所があり、タクシーを使うほどではないが、歩きたくないという人向けに勝手に営業が始まった。

学術論文を読むと、クロントゥーイ消防署があるスクムビット22では、1983年に生まれたという。消防署は、スクムビット通りからもラマ4世通りからも遠い所にある。そこで、オートバイを持っている男たちがタクシー商売を始めた。

バンコク各所で需要があり、合法とも非合法とも言えないかたちで、バイク・タクシーが次々と姿を見せ、しだいにシステム化していった。


前川健一の1枚の写真で振り返る ー 象がバンコクを歩いていたころ
古いポジフィルムから蘇る記憶。今はああだけど、昔はこうだった。タイの新旧を写真とともに振り返るコラム。
まえかわ・けんいち 2003年から2018年までダコ本誌にて『前川通信』を連載。特集からコラム、広告までをも辛口の批評をくれているダコ名誉顧問ライター。『タイ様式(スタイル)』(講談社文庫)など著書多数。また、旅行人HP(www.ryokojin.co.jp)にエッセイ「アジア雑語林」を連載中。

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