今号の読者からのご相談
(前略)日本食レストランを経営しています。スタッフのことで相談させてください。
板前がいます。日本で修行したとか。でも日本語はほとんど話しません。
この男が仕事中、まずよくしゃべるのです。手よりも口を動かしている時間のほうが長い。厨房で別のスタッフにときに直接話しかけ、ときに聞えよがしにつぶやいていることがスタッフの証言からわかっています。
「厨房が狭くて息苦しい」
「厨房が暑い」
「腰が痛い」
「自分はまもなく独立する」
「自分はまもなく辞める」
そして厨房でそこにいないスタッフの悪口を言いふらす。
こんなことを毎日耳元で聞かされるせいでスタッフの何人かは辞めたいと言い出します。
先月末、この男が厨房でスタッフに 「自分はもう辞める。明日から来ない」と言って会社を無断で3日間休みました。ところが4日目に娘を伴って会社に現れ、「辞めたんじゃないのか?」と聞くと、娘が「なぜ父を辞めさせるのか。労働局に訴えてやる」と言うではありませんか。
会社はこの男に「辞める」と言われたことはありませんし、「辞めろ」と言ったこともありません。
娘は「辞めさせるなら退職金を払え」とこちらの頭がおかしくなりそうなことを言います。
穏便に済ませた方がよいのでしょうか? タイの会社はどう対処しますか?(S.Y.)
ブンからの回答
無断欠勤3日で解雇
簡単です。理由もなしに3日連続で無断欠勤すると職場放棄とみなされ、欠勤した正当な理由を提示できなければ会社は「解雇」を言い渡すことができ、解雇に伴う慰謝料も払う必要はありません(労働者保護法119-5)。
ただし欠勤前に働いた分の給料は、日割りで支払わなければなりません。
損害を補償させる
従業員が無断欠勤したために会社にダメージが発生した場合、ダメージの額を厳格に算出できるならば(これが難しいのですが)、損害を補償させられます。
慈悲で収拾を図る
……と、ここまでは労働者保護法で定められていることですが、1カ月分のお金を「慈悲」として渡して縁を切る。というのが一般的です。
法律を盾にとると、残業代や職場環境の不備などアラ探しをして労働局に「ネタ」を提供されかねません。そんなことで裁判にまで付き合っていたら体が持ちませんものね。
相手が納得しないと
編集部の顧問弁護士は、タイ人同士のこうした交渉によく駆り出されます。
かつて穏便に図ろうとしたところ「弁護士ならフェアにやれ」と相手に言われ、「ではフェアというものをとくとお見せしよう」と慈悲をかけずに収拾したそう。

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