バンコクから日帰りで行ける距離にあるけれど、水上マーケット以外は意外とノー・マークだったラーチャブリー。情緒ある町にアートがうまい具合に溶け込んでいました。次はあなたがアートな気分に浸れますように。
【旅して書く係】 田丸マリオ 町を歩くのも、写真を撮るのも、食べるのも好き。そんな親子3人。
家にあったタイの雑誌を見ていて気になる場所を見つけた。雰囲気のある古い町並みと陶磁器工場、うまそうなクイティアオの写真に釣られて、嫁さんと息子の3人でラーチャブリー県までドライブすることに。
ラーチャブリーといえば、ダムヌンサドゥアク水上マーケットが有名だけれど、タイ人の間では大甕の町として名が通っているようだ。
歴史ある鉄橋がお出迎え
目的地までは片道100kmほど。朝早めに家を出て、ラマ8世橋を渡り、ペッチャカセーム通りをひたすら進む。ラーチャブリー県に入ると道路の両側は建物が少なくなり緑が鮮やかになった。Y字になっている高架道路上を左折して市内へ。町の入り口にあるメークロン川を渡る際、左手に鉄製の鉄道橋が見えた。趣のある橋に呼び寄せられるように、車を停めて立ち寄った。1901年に建設されたというそのチュラロンコン橋と大甕にのった金太郎(?)も出迎えてくれた。
極細麺と悩ましい半熟卵
お腹をすかせた嫁さんと息子を連れて、まずはクイティアオ屋で腹ごしらえ。
「クイティアオ・カイ・クン・メム」では、博多ラーメンを彷彿とさせる極細ストレート麺とトロトロ具合が悩ましげな半熟卵の乗ったバミー・トムヤム(ピリ辛スープの小麦粉麺)を頼んだ。暑さと辛さで汗が噴き出るのもかまわずすする。うっ、うまいっ。焼豚と鶏肉、細切りにした薄焼き卵など、具材も手が込んでいる。辛いのが苦手な息子も甘口のバミー・ヘーン(汁なし小麦粉麺)で満足気だ。
カラフル甕工場と圧巻の人形
お腹がいっぱいになったところで、本日のメインイベント、陶磁器工場に向かった。
「タオ・ホン・タイ」は、職人さんが絵付けをしている工場部分のほかに、カフェと屋外展示スペースが用意されている。陶磁器工場と聞いて、渋い感じをイメージしていたのだけれど、いやはや。いろんな大きさの甕があるのはもちろん、これでもかと多彩な色があふれているのに驚いた。甕だけでなく、犬や豚のオブジェやインテリアに使えそうな小物など、見ごたえ十分。
圧巻なのは、ダコ301号でもインタビューしていた ローレイ氏作のでっかい像「ドーラ」。あまりの大きさとリアルさに、息子は近づけず遠巻きに見守るのみ。ほかにも、甕に入ってる状態の記念写真が撮れる半分に切られた大甕などもあり、おもしろい。
工場併設のカフェで一服した後は、川沿いにある県庁を改装した国立博物館に。郷土の歴史や有名人ゆかりのアイテムが展示されているほか、1000年以上も前のドヴァーラヴァティー文化を伝えるクーブア遺跡も紹介されている。
博物館の隣に、なにやらおしゃれなアートギャラリーを発見。2階はアート作品の中でまったりできるカフェで、後で知ったのだけれど、こちらの「ディー・クント」は陶磁器工場のオーナーが作ったそうだ。
古い町並み散策と市場で夕食
日が沈み始めたころ、ラーチャブリーの町中をぷらぷら散策した。カノム・クロックの屋台を冷やかしたり、何気なく曲がったソイで隠れ家的レストランに出会ったり、昔ながらの商店街は歩いているだけで楽しい。川のそばにあるサナーム・ヤー市場の中で軽めの夕食。ホイトート(貝の卵とじ)屋で、カリカリ生地に牡蠣が8個も入っていて満足のボリューム。隣の飲み物ブースでは行列ができるほど、ソーダ・スムージーが大人気だ。
お家に辿り着くまでが遠足です
胃も胸もいっぱいで帰路に着いたものの、ここからがまたひと波乱。嵐による強風で車が飛ばされそうになったり、道路が浸水していたり。家に着いたら、今度は停電。エレベーターも止まっていた。寝息を立てる息子(体重16kg)を抱え、9階分の階段を上って、今回のワンデートリップは無事終了。
タオ・ホン・タイ
住所 234/1 Moo2 Jadehak Rd.
営業 8時~17時 無休(カフェも同じ)
料金 小物類100B~
電話 0-3233-7574、0-3232-3630
HP www.thtceramic.com
※6月10日まで、オーナー・ワシンブリー・スパニットウォーラパート氏の作品展
「 “U.P.O.” (Unidentified Permanent Object)」がトンロー・ソイ10のアーデルギャラリーで開催中。
ラチャブリー国立博物館
Woradej Rd. 9時~16時 月火祝休
タイ人20B、外国人100B 0-3232-1513
タオ・ホン・タイ ディー・クント
Tao Hong Tai d Kunst
323 Woradej Rd. 11時~19時 月休
グリーンティー60B、アップルソーダ60B
www.facebook.com/THT.dKunst
行き方
車:バンコク都心からラマ8世橋を渡って、ボロムマラートチャチョンナニー通りに。
ペッチャカセーム通り(国道4号線)にぶつかったら右に(北に)曲がる。
ラーチャブリー市内へは左前方にビッグCが見えるY字の高架道路上で左折。
ロット・トゥー:戦勝記念塔センターワン側の路線バス乗り場南端(ビクトリーポイント広場前)にラーチャブリー行きのロット・トゥー乗り場あり。ラーチャブリー市では、ビッグC、チュラロンコン橋、ロビンソン、シームアン市場にて停車。100B 6時~20時、20分ごとに発車。
帰りは、シームアン市場の前から。4時~20時半、15分ごとに発車。
08-3498-0741(バンコクオフィス)、
08-3498-0749(戦勝記念塔チケットブース)