タイに住む方ならよくご存じでしょう。タイ人は写真を撮るのがだーい好き。それも風景ではなく自分の写真が。
モデルと見まごう見事なポージングにたまげるばかりですが、そんな人々を狂喜乱舞させる施設がパタヤにお目見えしました。
次はあなたが主役になれますように。
【旅して書く係】 かぴ 最近、写真に写る自分の後ろ姿が丸い。
渋滞を呼ぶほどの人気ぶり
タイの母の日、8月12日をはさむ3連休。ただでさえ渋滞する週末のパタヤは、にっちもさっちもいかない程の混みっぷり。
パタヤ・ヌア通りのバスターミナルから乗ったソンテウは、歩くよりも遅いスピードでイルカの噴水までやってきました。
セカンドロードを歩いて行くと大通りよりもさらに激しく渋滞する路地が。
皆この路地を曲がった先にある地味な灰色の建物を目指しているのです。
それがパタヤに誕生したアート・イン・パラダイス。3Dの絵画の中に自分も入って写真が撮れる参加型美術館です。
美術館の入口は人垣でその先が見えない!
チケット売り場では特に身分証の提示も求められず、「コンディアウ・ナカー(ひとりです)」と入場券を150Bで買いましたが、あとで聞くと本来の外国人料金は500Bだったそう。うーん、見た目判断か。タイ人似の私はお昼代が浮きました。
名画の主役になって写真とるとる!
中に入ってまたビックリ。タイ人の家族連れやカップルでギューギュー寿司詰め状態。
美術館がこんなに混むなんて、日本だったらモナ・リザやツタンカーメンのマスクでも来日しないとあり得ませんね。
それほどの人気スポットであるこの美術館、普通の絵画が展示されている訳ではありません。
壁面に直接描かれたリアルで立体的に見えるアートは、動物や恐竜であったり、海の中であったりと魅力的。世界の名画の「中の人」がその枠からはみ出していたり、目の錯覚を利用したものであったり、絵画自体がとてもユニークです。
しかし、人気の所以はそれだけではありません。自分がまるでその絵画の中に入ってアートの一部になったかのような写真が撮れる、ここがタイ人の心を大いにつかんでいるようです。なのでカメラは要持参、写真を撮らないとここに来た意味がない!
それぞれの絵画の横には「写真の撮り方見本」が掲示され、それを参考に絵画の前に立ちポージング。フラッシュは禁止ですが、館内は好きなように撮影することができるのです。
実は美術館に着いてから、ひとりで来たのは失敗だったなと後悔していました。
絵画と一緒に写るモデルがいないとこの美術館の面白さが半減してしまうからです。
しかしその懸念は無用でした。我も我もと次々に撮影が繰り広げられているので、どう撮影しても知らないだれかが写ってしまう状態。日本人には少々恥ずかしいような芝居がかった表情もタイ人の皆さんはお手の物。
家族や恋人が構えるカメラに送る視線はアイドルと見まごう笑顔だったり、アンニュイな表情だったり。セクシーポーズや激しいアクションも躊躇なく、若者だけでなく子供やお年寄りまで手抜きなし。
床や壁いっぱいに描かれた岩山の崖っぷちで「落ちるー!」という動きと表情をキメるために何度もポーズを取り直す。
タイ人の写真にかける情熱はこれ程までかと笑えるやら感心するやら。いやいや脱帽です、テンションが高過ぎ、おもしろ過ぎです。
カフェでクールダウンいやぁ写真ってすばらしいですね~
熱気渦巻く美術館にのぼせ、ゼーゼー言いながら脱出。
夕方、空模様も怪しいというのにアート・イン・パラダイスに向かう車の列は来た時よりも増えている気が。
セカンドロードに戻ってすぐの場所にある、オレンジ色の壁が可愛いカフェでひと休み。女ひとりじゃ入りづらい店が多いパタヤの路面店、ここは珍しく?
明るく健全な雰囲気。マイルドな味付けでまったり。帰りのバスの車内で撮った写真を見直して、そのおかしさにひとり悶絶。
隣の席のオジサンはそんな私にドン引きでしたが。
アート・イン・パラダイス
Art In Paradise
住所 78/34 Moo 9,Pattaya 2nd Rd., Nongprue, Bang Lamung, Chonburi
電話 0-3842-4500
営業 9時~21時
料金 500B(外国人料金)※タイ人料金は大人150B