今回は競馬や闘牛が好きなお父さんたちが興味を示してくれそうなレジャー紹介です。
場所はオンヌットの先の闘鶏場。なかなかの戦いっぷりで、女子にはキツいかもしれませんが、ムエタイと同じように国を代表する観戦競技です。次はあなたがエキサイティングできますように。
【旅して書く係】髙田胤臣:父目線と大人目線を使い分けてレジャー地へ飛ぶ
プロ闘鶏家の会場はまさにコロシアム! 熱気もムンムンだ
ローマ帝国時代の競技場?!
タイのブックスタンドを眺めていると、マニアックな雑誌がけっこう並んでいる。
中でも目を引く闘鶏雑誌はざっと見ても5誌以上ある。気になって、ネットで調べてみたところ、スワンナプーム国際空港の少し先に闘鶏場があるようだ。
なんとなく闘鶏というものの想像はつくが、実際に見たことはないし、ちょっと行ってみよう。
のんびりと家を出て12時少し前に会場に到着した。
まず驚いたのは、その時間で広大な駐車場のかなり奥に車を停めなければならなかったことだ。
さすが5誌もあるだけあって、人気がうかがえる。
そして、もうひとつ驚いたのは、会場がまさにコロシアム!
ローマ時代の円形闘技場を彷彿とさせるすり鉢状で、「カラバオ・デーン」の人工芝を囲って大勢の男たちが鶏の闘いを見守っている。
まずはその熱気に圧倒されたのであった。
ルールを守って「観る」に徹する
アマチュア闘鶏家の会場は小さいものが6カ所並ぶ。屋根があり、雨でも問題ない
今回訪れたバンコク・コックピットは、コロシアムと小さな闘鶏ブースが6つある会場のふたつで構成されている。
コロシアムは賞金が20万から100万Bを超える大きな試合で、プロの闘鶏家が集まって勝負する。
小さな方は2000から3万B程度の小さい勝負が繰り広げられ、趣味で軍鶏を飼っている人々が対戦相手を自分たちで決めて、勝負をしている。
タイの闘鶏は、日本では食用として喜ばれる軍鶏を使う。タイ(サイアム)から来たのでシャモと呼ばれ「軍鶏」は当て字だそうだ。タイの闘鶏家たちは、真剣勝負のスポーツとしているが、観客の一部は勝敗に金を賭けギャンブルをしている。
係員に聞いたところ「あくまで会場を貸しているだけで、賭け事は違法」だ。
また、国内各県にひとつかふたつは大きな闘鶏場があるが、認可を得ていないところも多く危険だそうだ。
闘鶏を見るならぜひバンコク・コックピットへとのこと。
まさに鶏のプロレスだ!
タイの闘鶏は20~25分が一試合で、この会場では22分ルール。睨み合いから闘いは始まる
高く飛び上がり、タイミングを見て蹴りを出す。闘鶏用軍鶏は数カ月の訓練をしなければならない
さて、実際の闘鶏は躍動感と迫力はもちろんのこと、地味に残酷でもあった。
勝敗は鶏が戦意喪失するか逃げ出すこと。
決着がつかない勝負も多い。22分間も闘わせるので、羽が抜け落ち、傷だらけになる。一応爪はテープで巻いて致命傷を与えないようにしているとはいえ、しなやかな筋肉から繰り出される攻撃は強烈。
勝負前には入念に水をかけて体を冷やす。そうでないと興奮で上がる体温に鶏自身が負けてしまうからだ。
試合開始前に爪にテープを巻いたり、体を水で冷やす
睨みを利かせ、組み合っては押し合い、くちばしで猛烈に突き、飛び上がって蹴りをかます。そうして勝利した鶏は価値が上がり、数十万から数百万Bの値がつくという。
もし負けると、戦士としての威勢が失せ、別の鶏の訓練相手に成り下がるか、種付け用になる。
まさに負け犬(負け鶏?)の人生を歩まなければならない。
闘鶏は世界的に見ても紀元前からあったといわれ、タイもスコータイやアユタヤー時代から親しまれているものだという。軍鶏がジャンプし蹴りを出すときには取り囲む観客が一斉に「チョックシ!(ぶっ飛ばせ!)」とかけ声をかける。とてもリズミカルで、ついつい一緒に叫んでしまう。
命をかけた闘いで残酷ではあるけれど、自分の中にファイターの血を感じる人もいるだろう。
軍鶏用の様々な薬の売店もあり、なかなか繁盛している様子。薬はほとんどがタイ製だそう
行き方
モーターウェイでスワンナプーム国際空港を過ぎた最初の出口「オン・ヌット」を降り、ラックラバン通りを右折。運河をふたつ越え、最初の信号を右折して「トゥート・タイ市場」に入り、駐車場を奥に進んだ右手
タイムスケジュール
11:00 出発(バンナーエリア)
11:40 バンコク・コックピットに到着
11:50 闘鶏場内見学
14:00 退場
14:40 自宅着
見どころ
Bangkok Cockpit สนามกีฬาไก่ชนเทิดไทย (サナーム・ギラー・ガイ・チョン・トゥート・タイ)
場所 Talat Therd-thai, Luangpheang Rd., Latkrabang, Bangkok
料金 20B ※18歳未満は入場不可(ただし保護者同伴はOK)。
駐車場は1日20B
時間 第1、3、5の日曜の10時半~23時ごろ(その日のカードが終わるまで。アマチュア会場で最大34試合)
食事どころ
闘鶏場内にクーポン食堂あり。また、敷地入り口はトゥート・タイ市場(เทิดไทย )