ひんやり澄んだ空気とあのプールサイド
「散歩に行こうよ」。
薄暗いうちから目を覚ました長男が言い出した。コテージの戸を開けた途端、朝露に濡れた草の匂いに包まれる。数えきれないほどの鳥や虫の声、ひんやりと澄んだ空気は、バンコクに慣れた私たちにはとても新鮮だ。
エイズで両親を亡くし、自らもHIVに母子感染した子供たちの生活施設「バーンロムサイ」がチェンマイにあると知ったのは、夫のタイ駐在が決まりバンコクに移り住んですぐ。寄付だけに頼らない運営を目指してオープンしたというゲストハウスの「hoshihana village」は現在4棟あり、白を基調としたシンプルな部屋に、木造りの家具。余計なものは何もない。
きっかけは小林聡美主演の映画『プール』。この映画の中でコームローイ(熱気球)をあげる光景を見た時から、このゲストハウスとチェンマイのローイクラトン祭が気になっていた。
今年、その両方が一気に実現した。私と夫だけでなく、まだ小さい子供たちも夜空に浮かぶ何千ものコームローイを見上げ、時間を忘れた。帰りの道は予想以上に混み合い、チェックインが日付を越えそうだ。渋滞で動けなくなった車の中から急いで電話をした。ここには日本人スタッフが常駐していて、予約からこういう場合の電話でのやりとりまで非常にスムーズ。ありがたい。
次の日。各コテージと食堂、プールを結ぶ敷石を迷路のようだとはしゃいで駆けていく子供たちを追いかけ食堂へ。ゆっくり朝食をとった後は、次男の要望に応えるべくプールサイドを歩く。
夜はチェンマイ市内観光の後、途中のマーケットで食材を仕入れ、備え付けのキッチンで夕食作り。子供たちが寝入った後、夫と「将来こんな家建てたいね」と語り合ったが、それが叶うのはいつになるか? それまでは、またここに来ることにしよう。
hoshihana village
住所 211 Moo 3 T.Namprae,A.Hangdong, Chiangmai
電話 0-5302-2226
HP www.hoshihana-village.com
料金 カーリーハウス4800B、イチカワハウ ス3800B、すいかハウス3200B、土 の家2000B(共に税サ込、朝食別)
※2013年1月1日以降の料金。6泊以上で割り引きあり。詳細はHP参照。