
王宮前広場もしくはカオサン通りの近くにある橋を渡ってトンブリー側へ。
ちょっとローカル旅を楽しめるそんな昔ながらの街並にとけ込む一軒のレトロデパートの上に動物園があることをご存知の方はバンコク在住社でもそれほど多くはないだろう。(きっと)
PATAデパートのルーフトップ・ズー、その名も「PATA ZOO」。
初めてタイに来たという人はまず行かないだろう、と思われるそんなディープなスポットにひとりの女の子が足を踏み入れ、魅了される。
その子の名はタモリミカ。日本で活躍する若手のアーティストだ。
デパートの屋上という動物園とは縁のなさそうな場所で出合った動物たちにインスピレーションを受けた彼女は、それからの2カ月間をこの動物園に通い続けることに費やす。
そして、その結果は300枚以上のドローイングとなり、今回のこの個展を開くに至った。
(PATA ZOOに興味を持たれた方はこちらも参照ください)
《レジャーその142》子供を連れて路線バスでお出かけ! ゆるゆるムードの「パタ動物園」
http://www.daco.co.th/information/29852/
パタ動物園
場所は変わって、カーテル・アート・スペース。
ナラティワート・ラチャナカリン通りソイ22、BTSチョンノンシー駅から車で約10分のところにある会社の駐車場……ではなく、歴としたアートギャラリーなのだが、この会社の駐車場をとおり抜けないとダメな立地のため、正確な位置を前以て調べていない人には一発でたどり着けない仕様になっている。
ちなみに地図を見ながらここを目指して行ったはずの僕自身、一度とおり過ぎてしまった……。
通りからの眺め

このカーテル・アート・スペースで開かれているタモリミカのタイ初個展「”Don’t look at me” 私を見ないで」はPATA ZOOで感じた動物たちの悲哀(それはもちろんタモリ自身のフィルターを通して「そうだろう」と感じ取ったものではあるが)を描いたものである。
この展示のユニークな点は、見るものと見られるものの反転が試みられていること。


檻の中に閉じ込められた動物を見る側としての人間(=鑑賞者)ではなく、作品を見てるはずの人間(鑑賞者)が作品中の動物たちに見られているという構図ができあがっているのである。
狭くて高い天井。人間の視線よりも高めに掲げられたオランウータンやゴリラや鳥などの動物たちに見下ろされている気分に陥る。

また絵に刺さる線香にも工夫がなされており、これはタモリが丹精込めて練り上げた自家製のもの。原料は動物たちの糞。
点された線香からは、もちろん糞の香りが漂うわけではないが、不思議な空気感を作り出している。

時折、動物たちの鳴き声が聞こえてくるのだけれど、これもタモリ自らが動物たちの気持ちになって自分で録音したもの。
このドローイングをするにあたって、ひたすらに動物たちの気持ちに寄り添おうとしたタモリは、ひと晩真っ暗な檻の中で過ごすことにも挑戦している。その様子は赤外線カメラによって鮮明に捉えられており、入り口のそばに掛けられたモニターでタモリが感じた「悲哀」を垣間見ることができる。

極限まで動物たちとの一体化を試みたタモリの力作たち、一度ご鑑賞あれ。
(編集U)

Mika Tamori : “Don’t look at me” 私を見ないで
時間 2月24日~3月21日
場所 カーテル・アート・スペース(ナラティワート・ラチャナカリン・ソイ22)
FB TamoriMika








