ヨードは家でタイ料理を作ることがほとんどないのだが、FBで流れるタイ料理のレシピ動画チャンネルで見た「ラープ・ムー・トート」がすごく気になると言う。東北タイ料理のラープ(ひき肉のスパイシー和え)を、ハンバーグ状に丸めて揚げたもので、私も昔、作ったことがあるけれど、記憶にないらしく、「今度、自分で作るから豚肉を買ってきておいて」と。
で、1㎏分の豚ひき肉を買って冷蔵庫に入れておいたら、ある休日、「近所のスーパーでパクチー買ってきた」と、テーブルの上に置いたのは、三つ葉。近年のブームで、パクチーも売っているのに、なぜ三つ葉!?
「これ、パクチーじゃないよ」「えっ、わからなかった」と言いながら、三つ葉を刻み、タイ米をフライパンで煎って石臼ですりつぶして、カオクア(煎り米粉)に。ボウルにひき肉を入れて、三つ葉とカオクア、ライムの絞り汁を加えて、ビニール手袋をはめて混ぜながら、スマホで実況中継。
「ナムプラーは入れないの?」と聞くと、「忘れてた!」と実況を慌てて止めて足し入れ、「完成!」と。「粉末唐辛子、忘れてない?」「おっと、そうだった」と、粉末唐辛子をドバっと加える。
息子が、「タイ料理食べられない」というので、調理中のヨードを置いて、二人でスーパーに買い物へ。総菜を買って戻ると、我が家の50mくらい手前から、何ともいえない強烈なニオイが。もしかしてナムプラー?と近づくと、案の定、台所からぷ~~~~んと異様なニオイ。タイ料理って、こんなに臭かったっけ!?
でき上がった料理を皿に並べ、ワインを用意し、今まさに食べようとしているヨード。「あれ? ミントの葉は入れた?」「あっ、忘れた!」と、慌てて庭からミントを摘んで、皿のふちに。
さて実食。適当に作ったわりには、意外にイケる。タイ料理はダメと言ってた息子も、味見をするとおいしかったらしく、「だって、僕、半分タイ人だから」とモリモリ食べ、なんだかんだ1㎏分完食!
これを機に、男子厨房に入ってくれないかなー。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!