知ってもらいたい
チェンマイ料理
先月はチェンマイへ行ってきた。何に惹かれるのか、今でもチェンマイ好きの日本人の多さには驚かされる。文化や街並み、人々、それから料理も魅力の一端ではあるだろう。しかし、カオソーイ(カレー麺)以外で有名な料理はあるのか。サイウア(ハーブソーセージ)はどうだろう。ほかには何がある? 3品より多く答えられる人はいるのだろうか。そこで、今回はぼくの行きつけの北部料理店から、定番メニューを紹介しよう。
カノムジーン・ナムギアオ
まずはカノムジーン・ナムギアオ(そうめん)。豚の血入りだからか、日本人の間ではメジャーではないようだ。実はぼく自身、あまり食べたことがなかった。苦手なのではなく、既成のペーストを使うせいか妙な味付けの店が多いんだ。しかし、ここは北部仕込みの自家製。
そして欠かせないのがギウ(キワタ)という花を乾燥させたもの。ゲーンと一緒に煮込むと良い味が出る。トマトの酸味、豚の血と骨の甘味、そして唐辛子の辛味、それらを独特の風味でまろやかに仕上げるのがギウだ。
ナムプリック・オーン
もう一つは、自家製のナムプリック・オーン(トマトと挽き肉の辛味噌)。ニンジンやキュウリなど野菜に加え、ご飯も一緒にサーブされるので、野菜が好きなら気に入るよ。コクと甘味、辛味のバランスが絶妙だ。味は濃厚だが強烈ではない。辛いのが得意ではない人でも楽勝の辛さだ。
通常、ナムプリックはあくまで脇役のタレだ。しかしこれは豚挽き肉たっぷりの主役級。アツアツのご飯に混ぜたり、野菜に付けたり、どんな食べ方もできる万能選手なんだ。
この店にはほかにもゲーン・ハンレーやゲーン・オムなど北部料理があり、どれも安定のおいしさだよ。そして辛さも控えめで食べやすい。
チェンマイ好きの皆さん、次回はぜひ、食文化も楽しんでくださいね。
カオソーイとサイウア以外で。
バーン・ドーク・ピープ
開店から1年の新しい店だが、味が良く、庭園付きという魅力的な条件が揃い、もう何度も足を運んでいる。庭の緑と良心的な価格設定が、心も胃袋も財布の紐も緩めてくれるんだ。
店主プラーサイさんはバンコク出身。若いころから北部で農業に従事し、62歳で帰京した際、近所の住民が気軽に立ち寄れるカフェを開いた。当初はコーヒー中心だったが、ナムギアオ(35B)やナムプリック・オーン(50B)など北タイ料理は現在7品ある。
DATA
時間:7時半~19時 日休
電話:08-1348-6444