男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
5人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
今回の著者:政策科学 竹本 拓治
第25回で大学生カップルについて、第35回で大学生の制服について述べました。今回は大学生のデートスポットについて考察します。
そのデートスポット、要注意!
タイ人と初めてデートする場合、どこに誘いますか? タイに留学した日本人学生は、アジアティックやター・マハラートに行きます。多くの場合、タイ人学生が紹介することから、タイ人の好みが反映されているようです。
では日本人学生は、日本では、どういった場所でデートするでしょうか?
タイのようなおしゃれな大型マーケットは少ないようです。映画館、カラオケ、ボウリングなどが上位に入るようです。しかし、これらはタイでは要注意スポットってご存知でしたか?
薄暗い場所はいかがわしい?
海外留学の初日に、受け入れ大学での自己紹介はつきものです。本学の学生も、例年、「趣味はカラオケやボウリング!」とさらっと話す学生がいます。するとタイ人学生が、少し驚いたり、ニヤッとしたりします。
私も当初は気づかなかったのですが、先日、あるタイ人に、「タイ人って、映画館デートって少ないの?」と素朴な疑問をぶつけてみました。すると「親密な仲にならないうちはない」と明言します。
理由を尋ねると、「薄暗い空間で手などを握られたり、触られたりする可能性がある。逃げにくい場所だから」とのことでした。理性がないことが前提なのか、ガードが堅いのか、日本と感覚が異なります(笑)。
これまでの引率経験でも、日タイ学生が映画館でデートをしたというのは、聞いたことがありません。
また、カラオケやボウリングもいいイメージがないとのこと、その理由は不良っぽいイメージがあるからだそうです。日本の昭和の高校生のデートのような感覚かもしれません。
タイにいると、何か昔の古き良き日本にタイムスリップしたような気分になることがあります。これらの感覚の違いは、文化の違いというよりは、経済成長などの時間差に起因するのかもしれませんね。