男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
5人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
環境工学 岡寺 智大
先日、通過県とも称される佐賀県に仕事で訪問する機会を得ました。私自身初めての訪問でしたが、世界遺産の三重津海軍所跡もありますし、牡蠣やイカといったお馴染みの海産物のほか、ムツゴロウやワラスボといった有明海の珍味も堪能できました。正直、特に期待をせずに訪問したのですが、過ごしやすく、食事も美味で、のんびり旅行するには大変適した場所だと思いました。
そんな佐賀県ですが、映画・ドラマの効果もあり、タイからの観光客が増えているようで、佐賀男がモテる機会となるか?という議題を、佐賀男、片山は願望を交えつつ提起しました。そこで、以前ご紹介したタイ女からの日本男のモテ度(男百万人あたりのタイ女との婚姻件数)の推移データから、佐賀男のモテ度を抜き出してみました(下図)。
日本男全体のモテ度(男百万人あたりのタイ女との婚姻件数)と佐賀男のモテ度の比較
その結果、1992年から2014年の佐賀男のモテ度は、平均5件/百万人で、0~15件/百万人の間で推移しています(図中青線)。また、比較のため、日本男のモテ度の推移をおさらいしてみましょう。
同期間の日本男のモテ度は、16~35件/百万人の間で推移し、平均25件/百万人です(図中橙線)。平均値を比較すれば、佐賀男のモテ度は平均的な日本男のモテ度を20ポイントも下回っており、バスケならダブルスコアどころか、クィンティプルスコアでボロ負けです。
ただし、これは2013年までの話です。注目すべきは、2014年に過去最高のモテ度15件/百万円を記録していることです。これは前年の実に3倍にあたり、同年の日本男の平均的なモテ度(16件/百万人)と比較しても遜色のない数字です。また、訪日タイ人の佐賀への訪問率も2014年から2015年にかけて倍増しており、今後、片山の期待通り、佐賀男が更にモテる潮流が形成される可能性はありえます。
ただ、残念ながら、私自身はそうした片山の期待は打ち砕かれるのではないかと考えています。というのも、訪日外国人の佐賀県での宿泊者の約7割は男性で、女性は僅か3割に過ぎないからです。
こうした状況を鑑みるに、タイからの佐賀県への旅行者の増加によりモテる機会を得るのは、佐賀男より佐賀女なのかもしれません。