男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~
5人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。
環境工学 岡寺 智大
前回紹介したとおり、都道府県別婚姻件数は、2000年以降は東京都が突出しており、2014年現在、唯一3桁(162件)の婚姻件数を維持しています。では、タイ女には東京都の男が一番モテるということになるのでしょうか?
端的に言えば、「ノー」となります。なぜなら、東京都は日本で最も多くの人口を抱え、日本男の実に1割は東京都に居住しているからです。一方、2014年の日本男・タイ女の婚姻件数が最少であった鳥取県には、日本男の0.4%しか居住しておりません。
そもそも論として、多くの日本男を抱える東京都が、僅かな日本男しかいない鳥取県よりも婚姻件数が多いというのは当然といえます。つまり、こうした地域特性を考慮せずに単に婚姻件数だけで、県毎のモテ度を比較する事は出来ないということになります。
都道府県別に「モテ度」を算出してみる
そこで、男性人口で日本男・タイ女の婚姻件数を除した値(男百万人あたりのタイ女との婚姻件数)を、日本男がタイ女に持てるかを示す「モテ度」と定義しましょう。下のグラフは、厚生労働省と総務省のデータから、1992~2013年の都道府県別モテ度の変化をローソク足チャートで示したものです。
タイ女からの日本男の都道府県別モテ度の変動(1992~2013年)
出典:厚生労働省:人口動態調査
総務省統計局:都道府県・市区町村のすがた
本チャートでは、1992年~2013年の間のモテ度の変化は太線で表され、モテなくなった場合は黒に、モテ度が向上した場合は白になります。例えば、日本平均(最左端)では、黒い太線となっているので、この20年間で日本男は全般的にタイ女にモテなくなった(26組/百万人→16組/百万人)ということになります(泣)。
また、細線は期間中の最大変動幅を示し、最上部は過去最高のモテ度、最下部は過去最低のモテ度になります。日本平均では、過去最高モテ度は35組/百万人、過去最低モテ度は16組/百万人となり、2013年現在、最低モテ度を更新中であることがわかります(号泣)。
タイ女に一番モテるのは茨城男!?
都道府県別では、茨城県の男が総じて高いモテ度を示しており、過去には歴代最高の213(組/百万人)というモテ度を記録しました。が、2013年現在はピーク時の2割に満たないモテ度にまで落ち込んでいます。とはいえ、42(組/百万人)というモテ度は他の都道府県に比べ、最も高く、タイ女に最もモテるのは「茨城県」の男といえそうです。
偶々、私は茨城県に住んでおりますが、老舗のタイ食材のスーパーやタイ料理屋が比較的揃っており、タイ人コミュニティーが古くから形成されているという印象があります。また、大学等の教育・研究機関を介したタイ人ネットワークも多いので、茨城県の男がモテるというよりも、日本にいながらタイ女と出会う機会に恵まれている事も要因となっているのかもしれません。
さて、皆さんの縁のある地域はいかがでしたでしょうか?
注)
本稿は、あくまでも私的考察に過ぎません。ですので、指標の高い地域の男性がタイ女にモテる、あるいは、指標の低い地域の男性がタイ女にモテないという事を保障するものではありませんので悪しからず。