絵本作家タイで絵本を売る!

【最終回】絵本作家タイで絵本を売る!

全6回に渡る連載もいよいよ最終回。順調な滑り出しを見せたウドンタニーのブックフェアですが、果たして、気になる絵本の売り上げはどうなのでしょうか。

ブックフェアの日々

ブックフェアの期間中はとにかく忙しい。

会場近くの安宿で朝目を覚まし、セブンイレブンで1日分のパンと水とコーヒーを買い込み、会場に向かう。(一日中ブースにつきっきりなので、外に買い出しに行けない)

会場の様子

朝の10:00~21:00までは、ブースでチラシを配り、サインをし、販売が終わったら近くのイサーン屋台で飯を食い、場末のバーで閉店まで粘りながら、依頼を受けているデザインの仕事や絵本の仕事を片付け、宿に戻って寝る。

 

ありがたい事に、ブースを2日3日とあけていると、何度も足を運んでくれるお客さんや、友達を連れて来てくれるお客さんなどが出てきて、自然と色々な人と仲良くなる。

ミュージシャンを目指しているベル君は、作りたてのデモ音源や、イサーンの伝統的な布(パーカオマー)を最終日にプレゼントしてくれた。

Tシャツと、イサーン布を交換

小学生のワーヨー君の将来の夢は、アイルトンセナのようなF1レーサーになる事なのだそうだ。
ポストカードに温かいメッセージを添えて、お母さんと一緒にやって来てくれた。

心温まるメッセージを書いてくれたワーヨー君。

日本語を勉強している学生や、子どもたちにアートを教えている先生。地元のバーから街おこしをしている青年に、イラストレーターを目指している女の子。

タイ、日本、国は違えど、未来に向かって、希望やアンビシャスを持って生きている人達と出会う事は旅の醍醐味であり、絵本を売っていてよかったと思う瞬間である。

期間中は、沢山のお客さんがファンアートやプレゼント、手紙を持って遊びに来てくれる。

買ったTシャツを着て、わざわざ見せに来てくれた女の子。

最終日。
ブースには、本日最終日の札をつけ、最後の最後まで声かけを行う。

ワンニー ワンスッターイ(本日最終日)の看板

「また来年会いましょう」「また会おうね!」
訪ねて来てくれたお客さんたちと、挨拶を交わし、握手を交わし、来た時と同じように段ボールに荷物を詰め、片付けをする。

そして、来た時よりも軽くなった荷物をまた段ボールに詰めて、次の目的地に送る。

片付けの風景

次の絵本販売はラオスとの国境の街、ノンカーイ。

次の土地ではどんな出会いがあるのか、どんな景色が待っているのか。

絵本販売の旅はまだまだ、続いていく。

(おまけ)絵本イベントの収支

これから自分の作品を販売してみたい!オリジナルのグッズを作ってみたい!というクリエイティブな読者の方に、(聞かれてもいないのに)絵本作家の台所事情を明かすおまけコーナー。
今回はズバリ、ブックフェアの収支について赤裸々に話していきます。

 

さて、10日間に渡ってせっせと販売を続けたブックフェア。気になる売り上げですが…。

 

ダララララララ~、ジャン!(ここでドラムロール)

 

ズバリ!

76,330 バーツの売り上げでした!
(パチパチパチパチ)

絵本の売り上げ7万6千バーツ。多い方なのでしょうか?少ない方なのでしょうか?

日本円にすると、約30万円弱。

ホテル代や、交通費、グッズの原価や、ウシガエル代(?)を差し引くと、

36,119 バーツ(約15万円)の利益が手元に残った形になります。

自分がタイに来て最初に働いたレストランの月給が3万バーツだったので、贅沢さえしなければ、全然暮らして行ける額と言えば額です。

現在、大体、月に1回は必ずブックフェアに参加しているので、毎回これぐらいの売り上げを上げて、プラスでデザインや絵本の仕事を受注していけば、タイで絵本作家として生活していく事は、理論上は可能。という事になります。
(ブックフェアの場所によって、売り上げはかなり変わるので、現在も試行錯誤は続いています)

 

絵本 62冊

ポストカード 1,441枚

缶バッチ 326個

キーホルダー 152個

くじ引き 157回

が売れました。
改めて、絵本を手に取ってくれた方、グッズを手に取ってくれた方、ありがとうございました。

如何でしょうか。
夜行バスに乗り、安宿に泊まり、朝から晩までチラシを配り、声をかけ、絵本を売って3万バーツ。
苦労の割には少ない。と感じる方もいるかもしれないし、想像よりも多かった。という方もいるかもしれない。

 

でも、見知らぬ土地を旅し、土地の物を食べ、様々な人と出会い、旅を続ける日々は、何ものにも変え難いほどエキサイティングな人生だし。

自分が丹精込めて作った絵本やグッズが、異国の人にウケて、お金をもらって、しかも喜んでもらうというのは、大袈裟ではなく、自分の人生が丸ごと肯定されているような気がして、本当に本当に嬉しい。

 

今日も、明日も明後日も。
この旅や、出会いや、絵本や、生き方が、タイの方々に、日本の方々に元気や勇気を与え続けていると信じ。
絵本作家まえだゆうきの奮闘は続くのである。

 

↑実際に、ピサヌローク県という街で絵本販売を行なった時のドキュメンタリー映像です

『絵本作家タイで絵本を売る!シリーズ』

このシリーズは、タイで活動する日本人作家、まえだゆうきが実際に地方に絵本を売りに行き、生計を立て、旅をし、人々に絵本を届けるまでの等身大の日常を、移動、宿泊、食、イベントと、様々な角度から掘り起こす企画です。

シリーズを通して、タイを旅し、物を売る事の楽しさを存分に味わってくださいね!
宜しくお願いします!

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まえだゆうき

「絵本作家・作家」

2022年、カバン1つと絵本のデータだけ持って来タイ。
大冒険の末にバンコクで商業出版を果たし、タイで唯一の日本人絵本作家としてタイに移住を決める。
2024年より絵本作家として独立をし、活動を続けている。

2024年から絵本作家としてタイで独立

現在タイで2作の絵本が商業出版中

日本でも商業出版が決定、現在執筆中

応援宜しくお願い致します!

 

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