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【南タイ料理】“東西南北に関わらずすべてのタイ料理が好きです”「Yoong Khao Hom」インタビュー

タイ版ミシュラン1つ星を獲得したレストランのメインシェフを務めていた頃は、独創的なアイディアでさまざまな創作タイ料理を提供。現在は南部料理をテーマに新たな挑戦をスタートしたオームさん。彼女が考える南部料理、そしてタイ料理の魅力とは。

Yoong Khao Hom / Executive Chef
スジラー・ポンモーン(オームさん)

 

Yoong Khao Homの詳しい記事はこちら

東西南北に関わらずすべてのタイ料理が好きです

Yoong Khao Hom

「Stir Fried Acacia with Salted Eggs & White Prawns(250B)」は、独特の香りを放つチャオームの葉とエビ、カイケムを一緒に炒めたご飯が進むひと皿。しっかりと混ぜてから召し上がれ

 

当店で働き始めて「南部出身ですか?」と尋ねられることが増えたのですが、私はバンコク生まれ・バンコク出身で、特に身内が南部出身というわけではありません(笑)。ではなぜ南部料理なのかというと、私はもともと地域に関係なくすべてのタイ料理が好きなんです。

料理人としての道を選ぶ上で、最も大きな影響を受けたのは父と叔母です。2人はプロの料理人ではありませんが、私たち家族や近所の人たちのために料理を振る舞っていました。大人数だったので多めに作るのですが、それが残ることもしばしば。私は子どもながらに残すのはもったいないと思い、その残り物を使ってどのような料理ができるかをいつも考えていました。そうした積み重ねが、今のアイディアのもとになっているのではないでしょうか。だからこそ、偏見なくすべての地域・国の料理に親しみを感じられるのだと思います。

南部発祥の甘辛いカレーソース「ゴーレ」を使った豚肉のレッドカレー仕立て「Charcoaled Pork Ribs with Southern Red Curry Paste(580B)」。4~5人でシェアするのがおすすめ

 

もちろん以前から、南部料理にも興味を惹かれていました。多くの方は南部料理の特徴の一つとして、カレーペーストを使った「辛くて濃い料理」という点を挙げますが、決してそれだけではありません。先にも少しお話しましたが、マレー文化や中国文化が融合された料理は、その味わいも様相も大きく異なってきます。そして「辛い」というイメージだけが先行されていますが、その辛さに負けない味わい・バランスを保つというのは非常に難しいこと。食べる側にとっても、作る側にとっても奥深い料理だと感じています。

Yoong Khao Hom

ショウガとニラ、そしてマナガツオがたっぷり入った薬膳風スープ「Pomfret Soup with Fermented Soy Beans & Ginger(350B)」

 

また、新鮮で多彩なシーフードに恵まれているというのもポイントです。サムイ側だったらタイ湾、プーケット側だったらアンダマン海が広がり、常に旬の魚介類を手に入れることができるため、カレーやスープ、そして調味料などにも多用されています。食材も個性的で、他の地方ではほとんど使われないサトー豆やバイリアンといった野菜があるなど、興味が尽きることはありません。

当店は南部料理への“入口”です。まずは興味を持ってもらえれば

当店を訪れた方々に南部の文化を感じていただけるよう、店内には影絵を使った伝統的な人形劇やペインティング、スイーツなどの写真を飾っています。また各テーブルには、南部の伝統工芸である籐で編まれた仕切りを採用。お皿は、プーケットを中心に伝わる中国・ポルトガル様式(シノ・ポルトギース・スタイル)を活かしています。料理以外の点でも、現地の文化に触れてもらえればと思いますし、楽しみ方は決して一つだけではないですから。

お店の壁には、南部の代表的な文化を紹介する写真をディスプレイ(上記はマレー文化の影響を受けたタイ風クレープ「ロティ」)

 

最初から本場の味に挑戦して、タイ料理・南部料理を苦手だと思ってしまってはもったいないことです。タイ人でも、バンコクに住む人たちにとって南部料理は馴染みがある食べ物ではありません。一人でも多くの人たちにその魅力が伝わるよう、私たちはこれからも伝統的なスタイルを土台に据えながら、食べやすさを追求しています。まずは先入観を捨てて、純粋にお楽しみください。

当店を南部料理の初心者入門だと考えていただき、そこで少しでも興味を持ってもらえれば嬉しいです。一度興味を持ったら、次は他の料理にもどんどん挑戦したくなりますよね。そしていよいよ本場の味を食べてみたいと思ったら、異国情緒も含めてぜひ現地で存分に堪能してもらえればと思います。

店舗はチュラロンコン大学そばのコミュニティモール「I’m Park」2階にあります

Yoong Khao Hom

場所:2F, I’m Park, 353 Chula Soi 9 Charoen Muang Rd.
(BTSサイアム駅から車で5分)
電話:063-465-6565(英語可)
毎日10:00~22:00(L.O. 21:30)
WEB:www.yoongkhaohom.com
Facebook:Yoongkhaohom
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