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【人気のあった特集公開!】見て楽しい食べておいしいタイ・カレー図鑑

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高級レストランから街角のおかず屋台まで、タイ人・在住者・旅行者の区別なく愛される「タイ・カレー」。日本でもタイ・カレーの缶詰が発売され、大人気という話も聞いた。

ひと口にタイ・カレーと言っても、その見た目も味も千差万別だ。グリーンカレー(ゲーン・キアオワーン)のようにココナッツミルクが入ったクリーミーなもの、オレンジカレー(ゲーン・ソム)などは日本のスープカレーに近い。見た目は違えど、辛さ・甘さ・酸っぱさ・しょっぱさの4つの味が複雑に絡み合った奥深さは同じ。そんなタイ・カレーの数々をまとめた。きっと、あなたのお気に入りの一杯が見つかるはず。
ほかにも、タイ・カレーが評判のレストラン・食堂や、お家でも簡単にできる作り方も紹介する。

 

タイのカレールー「プリック・ゲーン」

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タイ・カレーで重要な役割を果たすのが、タイのカレールー「プリック・ゲーン」と呼ばれるチリペーストだ。唐辛子などの香辛料やエビ味噌をすり潰して作るプリック・ゲーンは、各カレー向けに材料が細かに分かれる。
 「ゲーン」は、タイ料理における汁物のおかず全般を指すタイ語。「ゲーン・ジュート(澄まし汁)」などタイ・カレーでないものにもゲーンと付く。今特集では「プリック・ゲーンを使うゲーン」をタイ・カレーとして紹介している。


タイ・カレーの「中身」

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プリック・ゲーン・キアオワーンに使われる材料の数々。中身の詳細は左下参照

レストランや食堂でよく見かける12のタイ・カレーを「ベーシックなカレー」「地方出身のカレー」「異国情緒のあるカレー」の3つに分類。カレーとプリック・ゲーンの中身を見ていこう。
※「味の目安」はダコのタイ人スタッフの意見をまとめたもの。辛さや味付けは店によって異なる
※「カレーの材料」は一般的に使われるものを挙げた ※「プリック・ゲーンの材料」は、「メー・ジンナラット」の材料を参考
※「メインの具材」の◎は特に人気の具材

 

ベーシックなカレー

 

タイ・カレーの代名詞的存在
ゲーン・キアオワーン(グリーンカレー)

グリーンカレー

タイ・カレーの代表的な一品。さわやかな色合いに似ず、緑色の小粒唐辛子を使うので辛味が強い。食べ方も多様で、ご飯やカノムジーン(タイ素麺)、ロティー(イスラム風クレープ)と一緒に食べるほか、パスタや炒飯などにも使われる。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・キアオワーン、ココナッツミルク、白ナス、セイバンナスビ、こぶみかんの葉、スイートバジル、唐辛子、パームシュガー、魚醤

プリック・ゲーンの材料
小粒唐辛子(緑)、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、南姜、エビ味噌、塩

メインの具材
パウダー・スパイス:黒胡椒、クミン、コリアンダーシード
 ◎鶏肉、豚肉、牛肉、エビ、魚(ナイフフィッシュなど)、魚のつみれ
 

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グリーンカレー



アヒルの炭火焼き入りが人気
ゲーン・ペット(レッドカレー)

レッドカレー

鮮やかな赤色で甘味と辛味が特徴のカレー。アヒルの炭火焼きを使うメニューが人気。アヒルを使う場合、プチトマトほか、パイナップルなど果物も入る。プリック・ゲーン・ペットを使う炒め物は「チューチー」と呼ばれる。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ペット、ココナッツミルク、セイバンナスビ、こぶみかんの葉、パームシュガー、魚醤

プリック・ゲーンの材料
乾燥唐辛子、小粒唐辛子(赤)、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、南姜、エビ味噌、塩

メインの具材
◎アヒル炭火焼き、鶏肉、豚肉、牛肉、魚(ナマズなど)
 

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レッドカレー


辛さ控えめのやさしい味
ゲーン・ガリー(イエローカレー)

イエローカレー
 

具材は、じゃがいもと肉類(鶏肉が人気)のみといった、シンプルなクリーミーカレー。中華系食堂で提供されるゲーン・ガリーは、辛味がほとんどなく、とろみを付けてあんかけ風になっていることも。

色々あるイエローカレー
グリーンカレー、レッドカレーとともにタイの3大カレーに数えられるイエローカレー。「ゲーン・ガリー」=イエローカレーなのだけど、「ゲーン・ルアン」(→p.20)やお店によっては「ゲーン・マッサマン」も「イエローカレー」(→p.21)と訳されることがある。


中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ガリー、ココナッツミルク、じゃがいも、パームシュガー  

プリック・ゲーンの材料
 乾燥唐辛子、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、しょうが、南姜、カミン、エビ味噌、塩、サラダ油
パウダー・スパイス:黒胡椒、クミン、コリアンダーシード

メインの具材
◎鶏肉、豚肉、牛肉

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その食に歴史あり インドの影響で生まれた イエローカレー
イエローカレー


たっぷり野菜と酸っぱさが身上
ゲーン・ソム(オレンジカレー)

オレンジカレー
タマリンド汁の酸味が効いたスープカレー。旬の野菜がふんだんに使われ、魚介類との相性がよい。雷魚やスズキを丸々1匹使ったゲーン・ソム(とても辛い場合が多い)などは、魚型の鍋で出てくることもある。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ソム、白菜、ジュウロクササゲ、タマリンド汁、ライム汁、パームシュガー、魚醤

プリック・ゲーンの材料
 乾燥小粒唐辛子、乾燥唐辛子、小粒唐辛子(赤)、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、南姜、エビ味噌、塩

メインの具材
◎エビ、魚(ナマズ、雷魚、スズキ、ハタなど)、貝(ムール貝、灰貝など)

 

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地方出身のカレー

 

とろとろシチューの食感
ゲーン・クア(オレンジ色のクリーミーカレー)

ゲーン・クア


オレンジ色や茶色をしたココナッツミルク入りカレー。タイ中部発祥のメニューでパイナップルとムール貝の組み合わせが人気だ。写真は、パイナップルとエビ入り。同じ「ゲーン・クア」と呼ばれる料理に、汁気が少なく炒め物に近いものもある。

中味はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ペット、ココナッツミルク、メインの具材に合う野菜、こぶみかんの葉、パームシュガー、魚醤

プリック・ゲーンの材料
 「ゲーン・ペット」と同じプリック・ゲーンを使用する

メインの具材
豚肉、牛肉、エビ、貝(◎ムール貝、灰貝)

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ゲーン・クアの酸っぱい兄弟
ゲーン・テーポー(酸味のあるクリーミーカレー)

ゲーン・テーポー

 「ゲーン・クア」の仲間で同じく中部出身のこちら。違いはタマリンド汁やこぶみかんによる酸味が効いていること。空芯菜など野菜や具材がたっぷり入る。名前の由来は「プラー・テーポー」という淡水魚からだが、今ではこの魚が入るものはあまり見かけない。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ペット、ココナッツミルク、空芯菜、こぶみかん、タマリンド汁、パームシュガー

プリック・ゲーンの材料
 「ゲーン・ペット」と同じプリック・ゲーンを使用する

メインの具材
◎豚肉、魚(ティラピア、カイヤンなど)

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メインの具材も野性的
ゲーン・パー(森のスープカレー)
 

 

ゲーン・パー

野菜がふんだんに入る、香辛料のよく効いた辛いカレー。現在はタイ全土で食べられるが、もともとはタイ中部の郷土料理だ。「森のカレー」の名にふさわしく、メインの具材も猪や蛙などその地域でとれる野生の食材を使用することが多い。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・パー、たけのこ、白ナス、ホーリーバジル、こぶみかんの葉、唐

プリック・ゲーンの材料
 辛子、胡椒、砂糖、サラダ油、魚醤
乾燥小粒唐辛子、乾燥唐辛子、小粒唐辛子(赤)、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、南姜、エビ味噌、塩
パウダー・スパイス:黒胡椒

メインの具材
◎鶏肉、豚肉、牛肉、エビ、魚(ナイフフィッシュなど)、魚のつみれ

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うおっ! 臭い? いい香り?
ゲーン・タイプラー(魚の内臓発酵汁入りカレー)

 

 

ゲーン・タイプラー
 

辛さが際立つタイ南部発祥のスープカレー。タイプラー(魚の内臓発酵汁)の独特な匂いから好みがはっきりと分かれる一品だ。上質のタイプラーを使ったものは芳醇な香りを持ち、クセになること間違いなし!?

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・タイプラー(「プリック・ゲーン・ペット・タイ」と呼ぶことも)、タイプラー(魚の内臓発酵汁)、たけのこ、かぼちゃ、四角豆、ジュウロクサ

プリック・ゲーンの材料
 サゲ、白ナス、こぶみかんの葉
 乾燥小粒唐辛子、小粒唐辛子(赤)、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、南姜、カミン、エビ味噌、塩
パウダー・スパイス:黒胡椒

メインの具材
 魚(◎グルクマ、ナマズ、サバ、ダルマカマスなど)、魚のつみれ
 

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魚と相性のよい辛味と酸味!
ゲーン・ルアン(辛酸っぱいスープカレー)
 

ゲーン・ルアン

タイ南部で誕生した、カミンの香りと際立った辛さが特徴のスープカレー。スズキや雷魚など淡白な白身魚との相性がよい。南部ではこのカレーを「ゲーン・ソム」と呼ぶこともあるが、ゲーン・ソムとは別物。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ルアン、たけのこ漬け、タマリンド汁、ライム汁、パームシュガー、魚醤

プリック・ゲーンの材料
 乾燥小粒唐辛子、小粒唐辛子(赤)、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、カミン、エビ味噌、塩
パウダー・スパイス:黒胡椒

メインの具材
豚肉、エビ、魚(◎スズキ、雷魚、さわら、カイヤンなど)
 

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異国情緒を感じるカレー

 

世界一おいしい料理にも選ばれた
ゲーン・マッサマン(イスラム風カレー)

マッサマンカレー
 

酸味と甘味、辛味、コクが絶妙なバランスのイスラム風カレー。2011年には、アメリカの情報サイト「CNN GO」で世界で一番おいしい料理に選ばれた。名前の由来はイスラム教徒を意味する「Musselman」から来ているとか。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・マッサマン、ココナッツミルク、じゃがいも、ピーナッツ、しょうが、タマリンド汁、パームシュガー、シナモン、カルダモンの種

プリック・ゲーンの材料
乾燥唐辛子、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、しょうが、南姜、エビ味噌、塩、サラダ油
パウダー・スパイス:クミン、コリアンダーシード、メース、ナツメグ、カルダモンの葉、カルダモンの種

メインの具材
◎鶏肉、豚肉、牛肉

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スパイスが醸す異国情緒 濃厚で品のある味 マッサマン
マッサマンカレー
 


 

スパイスが香り立つ一杯
ゲーン・ハンレー(タイ北部カレー)

ゲーン・ハンレー(タイ北部カレー)
ほんのり甘く、香辛料の香り豊かなカレー。200年以上前にミャンマー(ビルマ)からタイ北部に伝わった煮込み料理が元と言われる。その後、エビ味噌などのペーストが使われるようになり、北部の郷土料理としての今の形となった。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・ハンレー、赤たまねぎ、しょうが、にんにく、にんにく漬け、カレー粉、タマリンド汁、パームシュガー、黒醤油

プリック・ゲーンの材料
 乾燥小粒唐辛子、乾燥唐辛子、レモングラス、こぶみかんの皮、にんにく、しょうが、南姜、カミン、エビ味噌、塩、サラダ油
パウダー・スパイス:クミン、コリアンダーシード、メース、カルダモンの種

メインの具材
鶏肉、◎豚肉、牛肉

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「パネーン」は「ペナン」から来た?
ゲーン・パネーン(赤色のオイリーカレー)
 

ゲーン・パネーン

表面はオイリーで甘味と後からくるピリ辛が特徴。インドネシアやマレーシアで食される肉の煮込み料理「ルンダン」の影響を受けて誕生したと言われる。「パネーン」という名前は、マレーシアの「ペナン」島が訛ったものという説もあり。

中身はコレ!

カレーの材料
プリック・ゲーン・パネーン、ココナッツミルク、こぶみかんの葉、唐辛子、パームシュガー、魚醤
 
プリック・ゲーンの材料
乾燥唐辛子、小粒唐辛子(赤)、レモングラス、赤たまねぎ、こぶみかんの皮、にんにく、エビ味噌、塩、サラダ油
パウダー・スパイス:黒胡椒、クミン、コリアンダーシード

メインの具材
 鶏肉、◎豚肉、牛肉

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