タイ料理にはココナッツミルクが欠かせません。見た目もミルク色のトムカーガイは、その最たるものですね。最近はココナッツの健康効果が注目されてい ます。
ココナッツの中の透明な液体はココナッツウォーターです。内側の白い固形の 胚乳を削って細かくし、水を加えて混ぜて濾したものがココナッツミルクです。一番搾りと二番搾りで濃さが違い、料理によって使い分けます。牛乳より糖 分は低くほんのり甘味を感じる程度です。
そのココナッツミルクベースの舞台で主役をはっているのが、料理名にもなっているカー。ガランガル、ナンキョウなどとも呼ばれるショウガ科の植物です。包丁を入れるのが大変なほど固くて食べられませんが、ピリッとした風味が魅力です。
トムカーガイは、甘くてコクがあるのにキリリと芯の通った感じがするのは、 カーの働きでしょう。準主役のチキン(ガイ)、レモングラスやこぶみかんの葉、トウガラシ、フクロダケらが競演し、トムヤムスープとは違った世界を見せてくれます。
ヤマモリのトムカーガイは、個性ある食材をうまく演出しています。舞台から 次々と具が踊り出てきますので、しっかり楽しんでください。