“タイとクジラ”。なかなか結びつきそうにない組み合わせですが、クジラに会えるツアーがある!という情報を聞きつけた語学留学生ジョシュアさんが、いても立ってもいられず早速そのツアーに参加。本当にタイでクジラが見られるの? ちょっと疑いながら向かった大海原で待っていたのは……。
【旅して書く係】ジョシュア/タイ生まれ、タイ育ち。目下タイ語を勉強中!
タイでクジラに出会えるなんてまるで夢のよう!
ある日、「タイでクジラに会えるツアーが登場したよ!」との情報が舞いこんできました。タイでクジラ!! なんて想像もしていなかった私は、いてもたってもいられなくなり、その日のうちにツアーを予約。友人たちにクジラを見に行くことを自慢して回りました。
待ちに待った当日は、朝7時にエンポリアム・バンコク銀行前に集合。日本語の堪能なタイ人ガイドさんに連れられていざ出発です! バンコクの中心部を抜けて南下、ペッチャブリー県に向かって走ること1時間半ほど。休憩を挟んで到着したのは、船1艘が停泊するのみのプライベート感漂う河口に位置する港でした。
海の上は幻想的な雰囲気
この漁船に乗ってクジラを見に行く
すぐに船に乗り込んで、大海原へ出航です。クジラのいるスポットまでは、2 時間ほどのクルーズ。この日は、雨が降りそうで降らない曇天でしたが、湿気が多く海と空の境目があいまいで、とっても幻想的な空間が広がっていました。海の上に浮かぶ漁師達の家や、カキの養殖場などを眺めながら航海していると、時の流れがバンコクとは異なり、とても穏やか。
ついにクジラとご対面!
大自然の風景にただただ感動
「クジラがいたぞ! あっちの方向だ!」船長がクジラの群れを発見し、突然船内が騒がしくなりました。船長のほかにタイ人スタッフが2人乗っていたのですが、どうやらクジラハンターのようです。双眼鏡を取り出し、方角を船長に伝えます。
「11 ナリカー、クライ!(11 時の方向、近い!)」と日本と同じように、時計の針の位置で方角を伝えています。胸が高鳴り、こちらも必死にクジラハンターと同じ方角を見ると、そこには3頭の親子クジラが私達の目の前を悠々と泳いでいました。その姿に思わず乗客全員から歓声が上がりました。
バンコク近郊で見ることのできるクジラは、ヒゲクジラ類のニタリクジラという種類で、上あごに3本の線があることが特徴。警戒心が少なく穏やかな性格の持ち主らしく、“ 海の貴婦人”と呼ばれているそうです。
たくさんの群れが次々と現れた!
大きな口を開けてクジラが海面に! 感動の瞬間
最初の2頭がいなくなってから、さらに15 分ほど船を走らせると、再び発見。今度は船の右側に2頭、さらに左側にも2頭。クジラがエサを求めて海の底から大きな口を開けて海面に出ると、そのおこぼれの魚をいただこうと、海鳥たちがものすごい速さで群がってきます。その様子は、まさに弱肉強食そのもの。食べ終わるとクジラは頭から海にもぐり、尾ひれをゆっくりと海面に現して消えていきました。その姿の格好いいこと。
この日はクジラの当たり日だったようで、次々とクジラが姿を現しました。「11 時の方向! 15 時にも!9 時にもいるぞ!」クジラハンターたちの声も止まりません。どの方角を見ても、クジラが大きな口を開けて食事をしている様子が次々と目の前に現れます。もうカメラを構えるのも忘れて、ただただ目の前に現れては消えるクジラの様子を眺めていました。
クジラがタイの海を泳いでいる
それを思い出すだけで気持ちが豊かに
港にはクジラの写真やポスターなどが。これで予習を
この日のツアーで出会ったクジラは13頭以上。クジラハンター達も、今日はいつも以上にクジラがたくさんいた、と興奮気味でした。港に戻ったのは予定よりも遅く15時頃で、クジラに誘われてかなり遠くの海まで連れて行ってくれたようでした。
タイでクジラに出会えて本当によかった。「あの海ではクジラが悠久の時間を過ごしている」。そのことを思い出すだけで、日々の忙しさがふっと和らぐような優しい気持ちに。自然の時間と、都会の時間、その二つをクジラが繋いでくれた旅でした。
ツアースケジュール
07:00 エンポリアム・バンコク銀行前集合 バンコク出発
08:30 船着場へ到着・乗船
09:00 ホエールウォッチングへ出発
15:30 船着場到着・下船、バンコクに向け出発
17:00 バンコク到着
お問い合わせ
アビデック
電話:08-9529-1870(日本人直通)
Web:http://okuruma.asia/whale
料金:大人2500B 、子供2000B( 12歳以下)
※乗船費、往復の送迎、おにぎり(3個)、お水 (1本)、保険込み、
※最低催行人数:6人、最大催行人数:15人
評価
クジラに会える度★★★★
感動度 ★★★★★
自然満喫度★★★★★
アドベンチャー度★★★☆☆