バンコクから東南へ約170km、ジョムティエンビーチで知られる南パタヤ。そのさらに南にあるサタヒープには海軍基地があり、タイ海軍が保有する東南アジア唯一の空母「チャックリー・ナルエベト」が一般公開されています。「タイ唯一」と言う言葉に弱いIT系紳士、「これは見なければ!」と出動です。
【旅して書く係】堀口康浩/週末路地裏探検隊。趣味は寺院めぐり
現国王のために作られたカオシーチャンの巨大仏画
まずは王室寺院、ヤンサンワララームから
洋風建築のようでもありタイ建築のようでもあるユニークな寺院
今回はパタヤ滞在中の1日を利用して、さらに南に足を伸ばすことにし、レンタカーを借りて出発しました。焼けつく日差しの中でしたが、スクムビット通りを順調に走りました。せっかくなのでいろいろ見ようと、周辺の有名なお寺も回ってみることに。
まずはワット・ヤンサンワララーム。実は王室寺院であり、チョンブリー県唯一の第一級寺院です。広大な敷地は手入れが行き届いています。一番目を引くのはヨーロッパ風の寺院。やはりここが撮影ポイントらしくみんな写真を撮っていました。
中に入るとちょっと不思議な現代アートっぽいものが陳列されてあり、意外にもお寺らしさがありません。世界の真理をアートで表現、という感じ(主観です)。もうひとつの大きな建物である仏塔も目を引きますし、蓮池は美しい花が咲いていました。現国王のお母さんシーナカリン王太后の銅像などもあるのは王室寺院たるところでしょうか。
存在感抜群の大仏画、カオシーチャン
さて、お寺から案内板に従って車で少し移動すると前方にカオシーチャンが見えてきます。ここの特徴は、大きな岩壁にレーザーで溝を彫り、そこに金を流し込んで仏像の絵を描いていること。土地が平坦なタイですので、かなり手前から遠くに望むことができ、近くで見るとさらに圧巻。こちらも王室にちなんでいて、現国王の在位50年を記念して作成されたものだそうです。
空軍基地で迷いついでにウミガメ見学
ウミガメ保護センターのマスコットが歓迎してくれる
そこから車でさらに南へ行くとサタヒープの街です。地図を頼りに海軍施設に向かうべく車を走らせると公園のような場所へ。海軍のマスコットのカメのキャラクターもいるのでここかな? と入ってみるとそれらしきものはなく。
どうやらSea Turtle Conservation Center Royal Thai Navy、「海軍ウミガメ保護センター」に迷い込んでしまいました。せっかくなのでウミガメを見てしばし和みます。今回道に迷ったせいで軍の敷地を行ったり来たりしてしまい、何度も警備のゲートでどこにいくのか聞かれてしまいました。怪しい者ではありません、ごめんなさい。
ついに空母チャックリーとご対面
空母チャックリー。タイ人の発音的にはジャッキーに近い
タイ海軍の方はみなさん親切で丁寧に道を教えてくれました。そしてついに到着、空母チャックリー・ナルエベトです。
空母の甲板はスキージャンプ台方式と呼ばれる傾斜のついたタイプ
実はこの空母、世界最小の空母というちょっと変わった記録を保持しています。それでも東南アジアで空母を所有するのはタイ王国のみ。基本的に海域に紛争や緊張の少ないタイにおいてはあまり出動機会がなく、主な任務は災害時の救助支援活動。普段はこのサタヒープの港で平和に公開されて連日見学の人々を受け入れています。
現役の空母が公開されて中を見たり甲板を歩けるなんていうのもタイのおおらかで素敵なところだと思うわけです。空母の甲板を満喫したあとは帰りにジョムティエンビーチの海岸沿いのレストラン「プー・ペン」のシーフードがおすすめ。
バンコク湾の静かな海に沈む夕日を見ながら平和に感謝して家路につきました。
見どころ
ワット・ヤンサンワララーム
วัดญาณสัง วราราม วรมหา วิหาร
場所:999 Moo.11, Huai Yai, Banglamung, Chonburi
時間:8時~16時半 無休
チュック・サメット港(空母チャックリー・ナルエベトの停泊港)
ท่าเรือจุกเสม็ด
場所:Samaesan, Sattahip, Chonburi(空母チャックリーへはスクムビット通りから3126号線へ入り道なり)
時間:9時~17時 無休
※空母停泊の港周辺は軍の施設なのでマナーを守り、指示に従いましょう。
食事どころ
プー・ペン
Pupen Seafood
場所:62 Moo 1, Na Jomtien, Sattaheeb, Chonburi
電話:0-3823-1728
時間:10時~22時 無休
料金:プラーカポン・トート・ナムプラー(揚げたスズキの魚醤ソースかけ)450B、プラーカオ・ヌン・マナオ(白身魚のライム蒸し)590Bなど
【評価】
ローカル度:★★★☆☆
レア度:★★★★☆
行きやすさ:★☆☆☆☆
(基本的にソンテウなど公共交通機関のない場所にあります。車かタクシーをチャーターして行くのがお勧め)
空母の見学に行きましたが、タイ人のみ見学可との事でした。