当コーナーの名物ライターがプレスツアーに参加し、バンコクエアウェイズPG721便、スワンナプーム国際空港17時15分発のフライトでミャンマーの首都ネピドーに降り立った。
新しい首都の様子は前号でお届けし、今号では世界3大仏教遺跡の都市、バガンへと移動した3、4日目の旅をご紹介します。トータル3泊4日。歴史の足跡に後ろ髪引かれる思いで帰ってきたようです……。
【旅して書く係】髙田胤臣/親子の旅紀行も、ずんずん一人旅も、お呼ばれ旅も、なんでも来い!
世界3大仏教遺跡のひとつ
王朝の名残は緩く守られる
3日目はネピドーから直線で200km離れたバガンに向かった。バガンは遺跡が有名で、インドネシアのボロブドゥールとカンボジアのアンコールワットと並ぶ世界3大仏教遺跡として知られる。
11~13世紀に存在したミャンマー初の王朝はここバガンにあり、その頃に数千のパゴダや寺院が建設された。しかし、1975年の地震などで現在は2000程度にまで減っている。世界遺産登録運動もあったが、修復の際に鉄骨を入れたりなど現代の建築技術を取り入れて却下された。
この却下のエピソードが僕は好きだ。直そうという意気込みはあったが、完全に間違ってしまったわけだ。この詰めの甘さが東南アジアらしくていい。
寺院を回る男は多彩な様式に感想こもごも
右)ティリピセヤ・サンクチュアリでご馳走になったチキンカレー
今回の宿泊先は日系の会社が経営する「バガン・ティリピセヤ・サンクチュアリ・リゾート」。バガンに寄り添って流れるエーヤワディー川の畔にあり、特に屋外レストランのサンセットビューは素晴らしい。日本人が常駐なので非常に心強い。
さて、ホテルでの昼食もそこそこにミャンマー人ガイドのKKさんの案内で3カ所の寺院を回る。最初に向かったのは1090年ごろに建てられたアナンダ寺院だ。1975年から3年かけて再建された。約10mの大仏が4カ所に立っている。
次の寺は12世紀に建設が始まったが未完成とされる、バガンで最も大きなダマヤンジー寺院。構造は最初の寺院と同じだが、仏像の特徴がまったく違う。先ほどのは細身の大仏だったが、ここは太めだった。
スラマニー寺は日没が近かったこともあり、ざっと観ただけ
最後はスラマニー寺院だが、この次のサンセットポイントに間に合わせるため、ほとんど駆け足で見ることになった。
どの寺の前にも子どもたちが待ち構えていて、はがきや本などを一生懸命売り込みにくる。中には自分で書いた絵をはがき大に切って売っている子もいた。観光地とはいえ、まだ貧しい子どもも多いようだった。
左)一筆書きのようなアスファルトは悪路そのもの。でも、舗装されてないよりはマシ?
右)自転車のうしろに乗せた釜で蒸しピーナッツを作って売る少年
さて、サンセットのビューポイントはピャタヂー寺院だ。バガンは乾季はまったく雨が降らないので、ほぼ砂漠というか荒野となる。そこにぽつんと立ち尽くした寺院。煉瓦でできた大きな寺院の上に立ち、サンセットを待つ。100人近い観光客らもやって来ているのだが、僕はイナバの物置よりも丈夫なのかが気になってしかたなかった。
寺院が暮れれば、民家の明かり
「ゆっくり来よう」と夜空見上げる
陽が沈んでからは「バガン・ゴールデン・パレス」に移動。ここはショー「ダンダリー」が観られる。ダンダリーとはミャンマーの伝説を表した古典舞踊のことだそうだ。イメージとしてはバンコクの「サイアム・ニラミット」をやや小さめにしたもの。乾季の間だけなので、3月末にはいったん終わってしまう。
音声は英語で、スピード感もあってなかなかおもしろいものだった。演者が非常に若い。大体10代半ばくらいから20代前半ではなかろうか。小学生くらいの子どもたちも少なくなかった。この時間に働くのか、と正直違う点が気になってしまう。
ディナーはショーとセットになっていた。食事はそこそこイケるが、やはりネピドーの「ケンピンスキー」(前405号p.53参照)や今回の「ティリピセヤ」の食事を楽しんだあとでは正直やや霞んだ。それだけホテルの食事が確かなのだ。
最後の夜はホテルの川に臨んだデッキにあるバーでミャンマービールを楽しんだ。川の向こうには昼間は気がつかなかったが民家かなにかがあるのか明かりがぽつぽつと見えたし、見上げれば星空が美しかった。
こんな駆け足の旅行ではなく、今度はゆっくり来てみたい。そう思わせてくれた夜空だった。
左)パガンに向かう高速SA にいた子どもたち
見どころ
バガン入域料20ドルを払うと以下の寺院は無料で24 時間OK
アナンダ寺院
Google map:21.171074, 94.867871
ダマヤンジー寺院
Google map:21.163200, 94.873134
スラマニー寺院
Google map:21.164739, 94.881832
ピャタヂー寺院
Google map:21.158595, 94.889104
DANDAREE@ Bagan Golden Palace
バガン・ゴールデン・パレスでのダンダリー鑑賞
場所:No.7, Wet Gyi Inn Quarter Main Rd., Nyaung U, Myanmar
電話:+95-92-536-48686
Web:http://www.dandaree.com
備考:今シーズンは3月末まで。
【バンコクのチケットオフィス】
電話:0-2713-3815
おすすめホテル
バガン・ティリピセヤ・サンクチュアリー・リゾート
Bagan Thiripyitsaya Sanctuary Resort
場所:Bagan Archaelogical Zone, Old Bagan Mandalay Division, Myanmar
電話:+95-61-600-48
Web:www.thiripyitsaya-resort.com/ja
タイムスケジュール
【前回までの旅】
※1、2日目の旅は、前405号のミャンマー前編「ネピドー」で紹介しています。
1日目
■バンコク~ネピドー
15:00 スワンナプーム国際空港にてチェックイン
17:15 ネピドー行きPG721便に搭乗
19:30 ネピドー国際空港到着(タイとの時差-30分)
20:20 ケンピンスキー・ホテル・ネピドー到着
2日目
ネピドーウッパタサンティー・パゴダ見学と宝石博物館で買いもの
【今回の旅】
3日目
■ネピドー~バガン
08:00 ケンピンスキー・ホテルを出発
13:30 バガン・ティリピセヤ・サンクチュアリ・リゾート(以下、ホテル)着
14:00 遅めの昼食
14:30 寺院観光
18:10 ピャタヂー寺で日の入り
19:00 Dandaree鑑賞
20:30 夕食
21:30 ホテルのバーで夜空を観ながらビール
23:00 部屋に
4日目
■バガン~バンコク
08:00 バガン・ティリピセヤ・サンクチュアリ・リゾートを出発
13:00 マンダレー国際空港着
14:15 バンコク行きPG710便に搭乗
16:30 スワンナプーム国際空港着