今号の読者からのご相談
(前略)購買担当者が出入り業者からワイロを貰っている場合、表立って処分を(解雇とか配置換え、警告など)行った場合、タイの社会では、逆恨みされる場合が頻繁にある様です。
逆恨みされずに、適正な商取引にするにはどうしたらいいでしょう?
タイ人の会社はどうしていますか? (モカさん)
ブンからの回答
ワイロは損害&横領
言うまでもなくワイロを貰うということは会社に不利益をもたらす行為です。業者が100万Bのものを売り込む際に購買担当者に10万Bを渡す。会社は90万Bで購入できたかもしれない機会を失っているので損害です。
また10万Bは購買担当者の懐に入るべきものではありません。会社に入るべきものです。ですから会社の金を横領したという見方もできます。
おそらくワイロをもらった本人は、悪いことだという意識がないかもしれませんから、諭すように警告すれば逆恨みされる可能性は減りますが、確信犯であれば、まず逆恨みされることでしょう。
証拠をつかめない
さてワイロをもらう購買担当者をどうするか。まず確実な証拠があれば警察に通報すればことは足ります。しかし相手もバレないように業者と組んで証拠が残らないように万全の体制で臨んでおりますので、なかなかしっぽをつかませません。
ではタイの会社ではどうしているのか、ダコ編集部の顧問弁護士、Nopakun氏に聞いてみました。
悪いヤツとは縁を切る
①まず会社の顧問弁護士や人事部長に相談します。この人たちには名探偵のように頭が切れることが要求されます。疑わしい購買担当者と面談させ、たわいのな い話から核心に迫ってゆきます。ワイロをもらっていればウソをつくはずなので、どこかでボロが出ます。そこをついて相手にまず過ちを認めさせる。そして② 警告を与え、配置換えを行う。③または横領したことは黙っているから退職願いを出すように勧める。退職金は払わない。④または退職金を払って解雇する。そ うして逆恨みされることを避ける。このように状況に応じて対応するようです。
ある会社で強制的に出入り業者を変えたところ、旧業者が会社に「おまえのところの購買担当は新しい業者からオレのところ以上にワイロをもらっているはずだ」とどなりこまれたとか……。
社内ホットライン
社内の不正に気づいても、しかるべき人に相談できない場合があります。しかるべき人が黒幕という笑えないケースもあるからです。
ある会社ではコールセンターを利用して、社内のクレームも汲み取り、そこから本社へ報告。本社から支社へ不正を暴き、改善することを要求しているそうです。本社からの命令というワンクッションがあれば逆恨みの感情も薄らぎそうですね。
あ、それから。タイの某大会社の人事部長は常に拳銃を携帯しているそうです。
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