バンコクひと巡り

〈 バンコクひと巡り 〉第二十六回  佐渡島志郎

459(hitomeguri)

佐渡島志郎(さどしま・しろう)
1953年生まれ、福岡県出身。1977年、東京大学法学部卒業後、外務省入省。2015年4月より在タイ日本国大使館特命全権大使。趣味は、ゴルフ、絵画、映画鑑賞。好きな俳優は緒方拳、ナタリー・ポートマン。

気になる人を紹介者が自ら回想して書くリレーコラムです。 今回は鈴木敦子さんが佐渡島大使について書きます。

 

プロのアトリエ

紹介者/鈴木敦子(画廊経営)

 佐渡島大使がアーティストでもあるらしいと小耳にはさんだのは、昨年の大使公邸での新年祝賀会。耳にしたとたん、落ち着かなくなった。画家阿部恭子氏と東北の震災復興プロジェクトで協力してもらった国連の佐藤まり子氏も一緒だった。だれ彼となく「絵をお描きになるんですってね!」と大使との会話が始まり、大使が公邸内にアトリエを備えておられることを聞き出した。「拝見したいな」とだれかが呟き「拝見させていただけますか?」と大使に詰め寄ってパーティーが終わっていないのに公邸内のアトリエに案内していただいた。

 そこはプロのアトリエだった。描きかけのキャンパス、絵具や筆。そして、たくさんの絵が壁に垂れ下がっている。前任地のバングラデシュでは、展覧会も開かれたそうな! 市場の絵がいくつかある。どの国でもマーケットに行けばその国の匂いを感じることができる。

 後日、アコ画廊に来てくださって、ご自身の作品の額のご注文をいただいた。「ラマ9世」と題した作品は、故プミポン前国王陛下の崩御から思い出を振り返った作品だ。真ん中よりやや左寄りにラマ9世。その周りに学生が集まって国王と静かに談笑している構図である。絵から笑い声は聞こえなくても、とても平安で楽しそうな空気が漂っている。バンコクの街のあちこちで見かける前国王陛下を描いた絵画とは異なる感じの、お優しい心があふれ出ている作品だ。佐渡島大使の日頃の視線を思い出す。


次回で佐渡島大使が紹介するのは日本文化センターの鈴木一絵さんです。

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