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「美容医療は人生を変える力がある」
ドクター紀田基邦、その技術と哲学に迫る
2023年、DACO編集部はバンコクで開催された美容医療セミナーの取材で、紀田基邦医師と初めて出会った。当時、紀田医師はタイ・バンコクの美容クリニック「BIBI Clinic」に招かれ、現地医師へのヒアルロン酸技術指導を行っていた。
(前回の内容はこちら)
https://www.instagram.com/p/C2JzZLELtPu/?igsh=YXM5MTJrZDJ2eG1j
会場に現れた紀田医師を見た第一印象は、正直に言えば驚きだった。
長身で整った顔立ち。
まるで韓国ドラマやタイドラマに登場する俳優のような華やかなオーラをまとい、美容医師というより芸能人のような存在感があった。
「これほど完璧なビジュアルの人が本当にいるのか」
そんな感想を抱いた一方で、どこか近寄りがたい印象を受けたことも事実だった。
しかし、その印象は取材が始まってすぐに覆される。
技術指導の現場では、言葉の壁がある。文化の違いもある。日本とタイでは美容医療に対する考え方も異なる。
それでも紀田医師は終始穏やかだった。
質問を繰り返すタイ人医師に対しても嫌な顔ひとつ見せない。通訳を介しながら、何度でも丁寧に説明を繰り返す。
その姿は、一流の技術者というより、一流の教育者そのものだった。
実際にDACO編集部も、その場でヒアルロン酸施術を体験させていただいた。施術は想定より時間がかかった。
通常であれば医師側が焦ってもおかしくない状況だったが、紀田医師は常にこちらの体調や不安に気を配りながら進めてくれた。
「痛くないですか?」
「大丈夫ですか?」
その一言一言に安心感があった。
そして施術後。鏡に映った自分の顔を見て思わず驚いた。派手に変わったわけではない。しかし明らかにバランスが整っている。不自然さは一切ない。それでいて、確実に美しくなっている。
「これが日本トップクラスの技術なのか」
当時そう感じたことを今でも鮮明に覚えている。
あれから約3年。紀田医師は東京・渋谷に自身のクリニックを開業し、日本屈指のヒアルロン酸名医としてさらなる活躍を続けている。
なぜここまで多くの患者から支持されるのか。再びタイに来られた紀田医師とのインタビューで語られた言葉の中に答えはあった。
「人を幸せにしたい」から美容医療の道へ
現在は美容医療界のトップランナーとして知られる紀田医師だが、もともとは小児科医を志していたという。
「僕は大阪医科大学で6年間医学を学びました。当時は小児科を志していたのです。」
意外な経歴である。命を守る医療から、美容医療へ。世間ではまったく違う分野に見えるかもしれない。
しかし紀田医師自身は一貫していると語る。
「僕がやりたいことは昔から同じです。人を幸せにしたい。その手段が小児医療だったり、美容医療だったりするだけなんです」
その後、自身の可能性を広げたいという想いから美容医療の世界へ進んだ。
「美容医療の道に進んでから5年間しっかりトレーニングを積み、昨年、自分のクリニックを渋谷で開業しました」
医師としてのキャリアを考えたとき、安定した道を選ぶこともできた。しかし紀田先生は、美容医療が持つ可能性に強く惹かれたという。
その選択は、後に多くの患者の人生を変えることになる。
日本一と呼ばれるまでの努力
現在、紀田先生のもとには全国から患者が訪れる。その背景には圧倒的な症例数と地道な努力がある。
「まずはたくさんの症例を経験することです。でも症例を積むためには患者さんに選ばれなければいけません」
日本の美容医療では医師を指名して施術を受ける文化が一般的だ。だからこそ紀田先生は早い段階からSNS発信に力を入れてきた。
「自分の技術やセンスをSNSで発信し、多くの方に知ってもらう努力を続けました」
さらに国内外の学会への参加や登壇も積極的に行っている。
「学会発表や国際学会への参加を通じて、知識や技術を常にアップデートしてきました」
その積み重ねが患者の信頼につながり、口コミが口コミを呼ぶ形で支持が広がっていった。
現在では予約困難な人気クリニックとなり、多くの患者が全国から足を運んでいる。
ヒアルロン酸は“デザイン”で結果が変わる
紀田先生の代名詞ともいえるのが「カスタマイズフィラー」。ヒアルロン酸だけで顔全体の印象を整える独自の施術だ。
先生が最も大切にしているのは「自然さ」だという。
「僕が大切にしているのは、一人ひとりの骨格に合わせた緻密なデザイン設計です。やった感のない美しい仕上がりを追求しています」
美容医療というと劇的な変化をイメージする人もいる。しかし紀田先生が目指しているのは真逆だ。
「人にはバレない。でも確実に美しくなる。その自然さと変化を両立させることが重要だと考えています」
だからこそ診察では顔全体のバランスを細かく分析する。単に鼻を高くする、顎を出すという発想ではない。顔全体をひとつの作品として捉えているのだ。
美しい横顔を作るEラインの秘密
近年、日本でもタイでも人気が高いのがEライン形成だ。横顔の美しさを決める重要なポイントとして注目されている。
紀田先生はこう説明する。
「お鼻と顎とリップ、この3つのバランスが非常に重要です」
例えば鼻が高くなると顎が小さく見える。反対に唇が厚くなると鼻が低く見える。
「人の顔は少しの変化で全体のバランスが変わります。そのバランスを僕は一番大切にしています」
美容医療はパーツの足し算ではない。全体の調和をどう作るか。そこに医師の技術とセンスが問われる。
タイと日本で異なる“美しさ”の価値観
紀田先生は過去にタイのクリニックで現地医師へヒアルロン酸技術の指導を行った経験がある。その経験から、日本とタイでは求める美しさに違いがあると感じている。
「タイの方はゴージャスで華やかな美しさを求める傾向があります」
一方、日本ではどうだろうか。
「日本の患者さんは可愛らしさやナチュラルさを求める方が多いですね」
タイでは変化がはっきり分かる施術を好む人が多い。対して日本では、「何かきれいになったね」と言われる程度の自然な変化が理想とされる。
これは美容医療の技術差ではなく、文化や価値観の違いだ。だからこそ医師には、その国の美意識を理解する力も求められる。
タイ人と日本人、骨格の違いとは
タイと日本では骨格的な特徴にも違いがある。
「タイの方は目がぱっちりしている方が多い印象があります。その一方で鼻は日本人より低めの方も多いですね」
そのため鼻の施術による変化が大きく出やすいという。
「鼻を整えるだけでもすごく美しくなられる方が多いです」
一方、日本人はどうか。
「一重まぶたの方や顎が小さい方が比較的多い印象があります」
患者ごとに異なる骨格や特徴を見極めながら最適な治療を提案する。それこそがオーダーメイド美容医療の本質だ。
初めて美容医療を受ける人へ
ヒアルロン酸施術は美容医療の中でも比較的手軽な施術として知られている。しかし紀田先生は注意点も強調する。
「ヒアルロン酸はダウンタイムも少なく非常に良い施術です。ただし、入れすぎると顔が膨らみすぎたり、不自然になったりするリスクがあります」
だからこそクリニック選びが重要になる。
「必ずドクターの症例写真を見てください。ビフォーアフターを見て、センスのある医師を選ぶことが大切です」
そしてこう続ける。
「ヒアルロン酸は手軽ですが、実はとても難しい施術なんです」
安さだけでクリニックを選ぶことは危険だという。
「きちんとしたクリニックで施術を受けてください」
その言葉には、美容医療の第一線で活躍する医師としての責任感がにじむ。
自分を律することが最高のパフォーマンスにつながる
多忙な毎日を送る紀田先生。そのコンディション管理にも独自の哲学がある。
「規則正しい生活と、自分を律することですね」
朝は早起きをしてトレーニング。朝食を作り、仕事へ向かう。夜は早く寝る。そして仕事前日は酒を飲まない。
「僕はドクターでありながらアスリートだと思っています」
最高の施術を提供するためには、自身の身体と精神を整えることが欠かせない。
その姿勢は美容医療への向き合い方そのものと言えるだろう。
DACO読者へメッセージ
最後にタイ在住の日本人読者へメッセージをいただいた。
「サワッディーカップ。こんにちは、ドクター紀田です。僕はタイという国が大好きです。今後もタイで活動しながら、正しい美容医療の知識や日本の良さを伝えていきたいと考えています」
さらに、美容医療だけではない新たな挑戦も視野に入れているという。
「ドクターとしてだけでなく、アーティストとしての表現の幅も広げながら、皆さまにさまざまな形で価値を届けていきたいと思っています」
美容医療を通じて人を幸せにする。その情熱は、日本だけでなくタイにも広がろうとしている。
美容医療を通して人生を豊かにする
インタビュー終盤、紀田医師は開業した理由についてこう語った。
「一人ひとりの患者様ともっと強いコネクションを持ちたいと思ったんです」
美容医療を商品として提供したいわけではない。
「僕が提供しているのは、ただの美容医療ではなく感動体験です」
その人の人生を明るくすること。自信を持てるようにすること。自分を好きになってもらうこと。そのために時間をかけ、オーダーメイドで治療を行う。
だからこそ全国から患者が集まる。だからこそ紹介が絶えない。そして最後に、紀田医師はこんな言葉を残してくれた。
「美容医療は見た目を変えるだけじゃありません。その人の中身や人生を変える力があります」
「僕は、自分を好きになることが幸せのゴールだと思っています」
美容医療には賛否両論がある。しかし紀田医師の言葉を聞いていると、その本質は単なる若返りや美しさの追求ではないことが分かる。
人生を前向きにするための医療。自分を好きになるための医療。それこそが紀田基邦医師が追求する美容医療なのだろう。
DACO編集後記
2023年にバンコクでお会いした時と、今回のインタビューで印象的だったのは、紀田医師の「変わらなさ」だった。
日本一と呼ばれるようになった今でも驕りはない。患者への気遣い。スタッフへの配慮。学び続ける姿勢。そして人を幸せにしたいという想い。
その根底にある人間性こそが、多くの患者を惹きつける理由なのかもしれない。
タイが大好きだと語る紀田医師。今後、再びタイでその活躍を見る日も遠くなさそうだ。
(取材・文/さっちぃ)









