子供が保育園のころ、平日も休日も仕事で、一緒に過ごす時間がほとんどなかった。で、このままの生活を続けていたらきっと後悔する!と、土日の仕事はヨードに任せ、できるだけ休日は子供たちに付き合うことにした。
その結果、土日はほぼ朝から晩まで練習に大会、役員やお当番で1日が終わってしまうようになった。クタクタではあるものの、子供たちが大人になったとき、きっと懐かしく思うんだろうなぁ、と。
そんな折、大学時代の男友達から、たまにはみんなで飲もうよ、との電話が。彼の娘さんは、今年高校3年生。もう一人の飲み仲間の娘さんはまだ小学生だけど、二人して「もう、俺らは家に居場所がない」と愚痴っている。本当は、ふらふら自由に生きたかったけど、奥さんと子供が生活に困らないよう毎日働いてきたのに、いつの間にか「お父さん、いらない」状態になってしまった、と。
うーん。我が家を振り返ってみるとまったく同じかも。タイに住んでたころは、あんなに子煩悩だったヨードだけど、日本に来てからは、昼出勤の深夜帰宅。土日も仕事で、子供たちと顔を合わすのは、週に数時間程度。
子供たちは、パパのこと、どう感じているんだろう? と気になって、息子に「ママはさ、パパとは他人だから、パパが何考えてるか分からないけど、〇〇(息子)は、パパの血が半分流れてるから、何考えてるか分かる?」と聞いてみた。すると、「うん、ちょっとは分かる」と。そうか、たまにしか会わなくてもちょっとは分かるのか。娘はお調子者なところがそっくりだし、息子はせっかちなところがそっくりだ。
聞いたことはないけど、ヨードも私の男友達のように疎外感を感じているのかな。もっとタイに住んでいたときみたいに家族らしく生活すれば良かったな。と、勝手に一人で反省の日々を過ごしていたら、ママ友が「うちのダンナが、ヨードさんは自由でいいなって言ってるよ」と。一人でサウナ行ってビール飲んだり、友達と飲みに行ったり、やたら自撮り写真をFBにアップしているのを見て、羨ましく思ったらしい。
そう言われてみると、けっこうサバイサバーイな感じで生きてるよな。なんか反省して損したな。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!